中国で「JK制服」が人気 ロリータに漢服も…拡大する“3つの穴”市場3000億円規模のワケ
中国で、日本の女子高校生風の制服、いわゆる「JK制服」が人気を集めている。このJK制服に、ロリータ・ファッション、中国の伝統衣装・漢服を加えた3つが、思わずはまる“三坑(3つの穴)”と呼ばれ、年々需要が拡大、3000億円を超す市場になっている。 (NNN中国総局 船木大路)
北京の“渋谷”に「JK制服」
北京の中心部にある三里屯は、東京で言えば「渋谷」のような若者に人気の町だ。ここを歩くと日本の女子高校生が着るような制服、いわゆる「JK制服」を見かける機会が増えた。 「アニメや漫画をきっかけに知りました。『ハイキュー!!』や『黒子のバスケ』です」とJK制服を着た女性は語る。愛好者は十代から二十代の女性が中心で、コスプレではなく、普段着として着る人も多いという。 「JK制服」という表記自体もそのまま使われているほど、中国の若者たちに定着している。 「着るとかわいいし、元気な印象です。クラスメートにも着ている人がいて、前から何着も買っています」と話すのは17歳の高校生。現代っ子らしくネットショッピングサイトでJK制服を探すという。 中国メディアの分析では、以前は北京など大都市の一部のマニアの間での流行だったが、今では比較的小さな都市まで流行が広がっているという。
3000億円超の「三坑(3つの穴)」市場
このJK制服に、ロリータ・ファッション、中国の伝統的な衣装である漢服を加えた3つが、今中国で人気を集め、「三坑」と呼ばれている。「坑」とは中国語で「穴」を意味し、はまるとどんどんお金を使ってしまうという意味で「三坑=3つの穴」と呼ばれるようになった。 北京市内にはこの「三坑」商品の専門店も登場。訪ねてみると、ビルの一室につくられた店内には所狭しと商品が並べられていた。 自身もJK制服に身を包んだ店員は「お客さんの大部分が15歳から25歳ですが、さらに若い購入者も増えてきています」と話す。 「親たちから見ても(JK制服は)日常的に着られ、外に着て出かけても違和感がないんです」。 市場規模も年々拡大していて、中国の調査会社の調べでは、2020年の「三坑」市場の規模は約200億元(およそ3370億円)にのぼるという。2025年にはこの6倍、1200億元(約2兆円)を超えるとの試算もある。