「三権分立はフィクション」と泉房穂が断じる根拠、そもそも議会は「富裕層」のためのものだった
司法の世界は狭いので、最高裁の裁判官などにも顔見知りが何人もいます。いわゆる権力におもねるタイプの人たちが多く、ゴマすりが上手な人たちが出世していって最高裁に辿り着く。国にケンカを売るような判決文を書く人は、最高裁には辿り着けません。 もちろん心ある裁判官もいます。勇気ある判決文を書いた判事もいます。しかし、そのような裁判官はいずれも地方の裁判所に飛ばされ続けて終わり、最高裁まで辿り着くことはないのです。
最高裁で働く友人は、「泉、お前はいろいろ好き勝手に言っているが、自民党とケンカなんかできないんだよ。忙しいなかで人を増やしてもらおうと思っているところに、予算を削られでもしたら大変なことになる。“わかっているだろうな”と自民党からジロリと睨まれつつ、頭を下げて予算を通してもらっている状態で、政治的なことに違憲判決なんか出せるわけがないんだよ」と言っていました。本音でしょう。 最高裁判所など、単なるゴマすり役人集団です。それを世間は勘違いしていて、裁判所は中立で独立した司法権を持っており、公明正大な判断を下せるなどと思い込んでいるのです。現実は小学校や中学校の教科書どおりになんて動いてはいません。
基本的に、裁判所というのは時の権力の下僕のようなもの。時の権力が逮捕した人が政治犯として有罪にされていった歴史をみれば、裁判所が中立なわけがないのです。 検察庁も似たようなものです。検察は行政機関の1つですが、今回の自民党派閥による裏金問題には、そもそも本気で切り込む気がなかったのだろうと思わざるを得ません。結局は、会計責任者ら7名と安倍派の所属議員3名を立件したのみで、安倍派幹部は誰一人起訴されずに手打ちとなりました。
そもそも、検察庁自体も裏金疑惑と無縁ではありません。2002年、当時現職の大阪高検公安部長が、テレビ朝日の『ザ・スクープ』という番組で検察庁の内部で密かに行われてきた裏金づくりの実態を告発しようとしていたところ、その収録の数時間前に、いきなり過去の微罪によって逮捕、起訴されて実刑判決を受けるという事件が起きます。 裏金づくりをリークしようとした部長の口を封じるために検察が動いたとしか思えない展開でした。