芳根京子、朝ドラヒロインの影響力実感「今だったら、怖くてできないかも」
連続テレビ小説「べっぴんさん」でヒロイン・坂東すみれに扮し、10~50代までの女性の人生を演じた芳根京子。そんな彼女の朝ドラ後、初となる映画『心が叫びたがってるんだ。』が公開を迎える。芳根が演じるのは、小さいころの自身の発言により両親が離婚したと責任を感じ、言葉を発することができなくなった高校生・成瀬順。人気アニメの実写化、さらにキャラクター性が強く、難易度の高い役柄に「プレッシャーが大きかった」と心情を吐露しつつも「朝ドラで学んだことを発揮するんだ」と臨んだ本作だったが「全部忘れて」と熊澤尚人監督からはオーダーがあったという。
「朝ドラで学んだことは一回忘れて」という熊澤監督の言葉
撮影前の本読み――。芳根は「朝ドラで10代から50代までを演じ、孫までできてしまいました」と笑顔で振り返ると「そこから女子高生の役なので、自分のなかではギャップがありすぎて大変だなと思う一方で、逆にいろいろな先輩からの助言で学んだ演技の幅をみせるチャンスだって思うようにしたんです」と意気込んで臨んだという。 しかし「熊澤監督から『朝ドラで学んできたことを一回忘れて』と言われたんです。つまり私が持ってきたものは、全然違うんだって理解しました。そこからクランクインまでは、役柄について考えに考え抜いて、撮影が始まってからも2~3日は試行錯誤でした」と当時を振り返る。
心で演じることの大切さ!
インしてからも拓実役の中島健人の助けを得て、順という役柄をつかもうと必死だったという芳根。 「拓実とのシーンが多かったので、何度も中島くんに相手をしてもらい、熊澤監督にも、その場で出てきた感情について何回も話をさせていただきました。徐々に順という子をつかむことができ、それからはだんだんと楽しくなっていったんです」 役柄を固めて作り込むのではなく、現場で得られる感覚――言い変えれば“心で演じること”を普段から大事にしているという芳根。しかし本作では、本読みの段階でダメ出しを受けた。難解な役ということで、自然と構えてしまっていたのかもしれない。 だが、中島をはじめ、石井杏奈、寛一郎ら同世代の俳優たちと触れ合うことにより、自然と順としての感情が生まれるようになってきたという。あらためて演じるうえで“心から出てくる気持ち”の大切さを実感できた現場だったようだ。