秋季県大会決勝の花咲徳栄戦で先制し、喜ぶ浦和学院の選手たち＝県営大宮公園野球場で２０２１年９月２８日、橋本政明撮影

　◇左右２枚看板の投手陣 　チームを春夏計２２回の甲子園に導き、２０１３年春にはセンバツ優勝を果たした名将、森士（おさむ）前監督が２１年夏の甲子園で引退。秋に就任した長男の森大（だい）監督が伝統を引き継ぐ。 　ナインを引っ張るのはエースの左腕・宮城誇南（こなん）（２年）ら前季の甲子園経験者。巧打者でもある右腕・金田優太（同）と左右２枚看板で投手陣を支える。打線は鍋倉和弘（同）、高山維月（同）らが主軸を担う。 　２１年の秋季関東大会は、下位打線も得点に貢献。準々決勝では桐生第一（群馬１位）を相手に宮城の完封勝利で７年ぶりの４強入りを果たした。 　一方、山梨学院（山梨１位）に敗れた準決勝には悔しさが残る。四回に勝ち越したが、延長十回に打ち込まれ２―９で敗退。「勝てない試合じゃなかった。この負けをセンバツで返すしかない」。そう語る八谷晟歩主将（同）、大内碧真副主将（同）らは大会後、終盤の集中力を切らさないよう声を掛けてきた。 　チームは冬の間も、木製バットで振り切る力をつけ、体作りに励み、一人一人が進化を遂げた。「部員同士切磋琢磨（せっさたくま）して、全国制覇を目指す」。新監督と臨む大舞台で飛躍を誓う。 　◇出場伝える号外を配布 　浦和学院のセンバツ出場決定を伝える毎日新聞の特別号外が２８日、同校内で配布され、受け取った関係者らが笑顔で見入った＝写真・大平明日香撮影。 　号外は「浦和学院に春切符」「新監督と全国制覇を」の大きな見出しに、２０２１年秋の公式戦で活躍した選手たちの写真で彩られている。通例、号外は出場校の最寄り駅や繁華街で配布されるが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて校内で配布された。【平本絢子】 ……………………………………………………………………………………………………… 　◆出場校紹介 　◇建学の精神「吾道一貫」　他の部活動も全国レベル 　浦和学院（石原正規校長）は１９７８年創立の男女共学の私立高。学校法人明星学園が運営する。生徒数（１月現在）は２２１７人（男子１１１５人、女子１１０２人）。建学の精神は「吾道一貫」で、論語にある孔子の言葉「吾道一以貫之」に由来する。 　部活動が盛んで、２１年は野球部のほか男女テニス部（男子＝団体・個人、女子＝ダブルス）、ハンドボール部、ソングリーダー部が全国大会に出場した。国際教育や進学指導にも力を入れ、大学・短大・専門学校への現役進学率は９７・３％（２０年度）。 　主な卒業生に、元巨人投手の大竹寛さん▽ロッテの小島和哉投手▽元ハンドボール男子日本代表の土井レミイ杏利選手▽モデルの菜々緒さん――らがいる。