コロナ予防には手の保湿も重要!? 感染症専門医が秋冬の感染リスクを解説
感染症専門医がズバリ指南|コロナに負けない! ハンドケアの新常識
手洗いとアルコール消毒が常識になった昨今。新型コロナウイルスが本格化して初めての秋冬を迎えます。 感染再拡大に備えて、徹底すべきは手洗いですが、乾燥するにつれて手荒れも心配に。 正念場を乗り越えるためのハンドケアを、日本感染症学会指導医・専門医の水野泰孝先生にうかがいました。
接触感染のリスクをいかに下げるかが鍵
新型コロナウイルスの、気温と湿度の関連性はまだ明らかにはなっていません。ただ、多くのウイルスは温度が低く乾燥した環境を好みます。 例えばインフルエンザウイルスは温度20度以上、湿度50~60%の空気中で感染力が下がると言われています。よって、空気が乾燥し、気温が下がるこれからの季節はウイルスとの戦いの正念場とも言えます。 新型コロナウイルスの感染は主に2種類あります。「飛沫感染」と「接触感染」です。 飛沫感染は、会話やくしゃみ、咳などを受けて感染することです。それらはマスクが壁となり感染を防いでくれるのですが、現在は多くの方がマスクをマナーとみなし、実践しています。 一方、接触感染を防ぐための手指の消毒は、意識にまだ個人差があります。感染者の唾液に触れてもそれだけで感染することはありません。ウイルスの付着した手で、目や鼻、口を触ることで感染します。 ひとは自分の顔を無意識のうちに頻繁に触っているので、不特定多数のひとが触る共有物に触れたあとは、手洗いや手指の消毒がとても大切なことは明らかです。
乾燥シーズン到来! これからの季節にハンドケアが重要な理由
<気温が下がるとウイルスが活発化。乾燥で感染リスクも向上> 一般的に、気温が下がり乾燥する秋冬は、ウイルスの感染力が強まります。また乾燥から体の水分が奪われ、鼻やのどの粘膜が乾き、防衛機能が低下します。 新型コロナウイルスはのどや鼻の粘膜など呼吸器官から感染することがほとんどです。だからこそ、乾燥するこれからの季節はより警戒を強める必要があります。 <手荒れが心配な季節。手指の消毒とともに保湿を心がけて> 冬の乾燥に加えて手洗いの機会の増加から、手荒れが心配なひとも多いはず。手荒れや赤切れから、感染のリスクが高まるとは考えにくいのですが、むしろ手荒れが原因で手指の消毒が億劫になることが問題。 保湿機能のある石けんやアルコール消毒を選んだり、ハンドクリームを使ってケアをして、不断の接触感染予防が大切です。 <手洗い・手の消毒は、接触感染防止のすべてといっても過言ではない> 接触感染は、何かに触れることすべてにリスクが伴います。プラスティックには72時間、ウイルスが生存するというデータもあります。 接触感染の防止は手指の消毒に尽きます。医療従事者も、特別なことではなく手洗い、もしくはアルコール消毒の徹底を行っています。とにもかくにも「手洗い」で手を洗浄するか、「消毒」をこまめに行うことが肝心です。 ●[ ウイルスの生存時間 ] お金/ガラス……4日間 プラスティック/ステンレス……3日間 木材/布……2日間 段ボール……24時間 銅……4時間 紙/ティッシュ……3時間 出典:NEJMより一部改変