朝見たら1階が「木で埋まっていた」…流された家具や自動車、道路に散乱
前線や低気圧の影響で、青森県内は3日、短時間に大雨をもたらす「線状降水帯」が発生し、各地で大雨に見舞われた。20市町村で避難指示が出され、住宅が半壊したり浸水したりした。人的被害は確認されていない。
青森地方気象台によると、線状降水帯は3日午前8~9時過ぎに津軽地方の日本海側で生じた。気象台が線状降水帯の発生を発表したのは県内初。レーダーなどの解析で1時間の雨量が深浦町付近で約110ミリ、鰺ヶ沢町付近で約90ミリに達し、気象台は記録的短時間大雨情報を発表した。
県によると、20市町村の少なくとも2万6037世帯、7万7547人に避難指示が出された。外ヶ浜町では住宅の半壊や床上浸水が確認された。国道や県道では、延べ30か所が冠水や土砂崩れなどで通行止めになった。
北海道新幹線・奥津軽いまべつ駅(今別町)では駅舎の1階部分が冠水し、一時出入りができなくなった。駅員らは泥の後片付けに追われ、尾崎辰駅長(46)は「これほど水が入ってくるとは思わなかった。乗客に被害がなくて良かった」と話した。
外ヶ浜町三厩藤嶋地区では近くの藤嶋川が氾濫して住宅地に流れ込み、道路には流された家具や自動車、樹木が散乱した。自宅2階で就寝中、樹木が流れ込んだという男性(74)は「未明にゴーという音で目が覚めた。朝見たら1階が木で埋まっていた」と驚いていた。
国道102号と103号が交わる十和田市法量の交差点では、流木などが道路を塞いで通行止めに。近くのホテルに宿泊していた横浜市の無職の男性(70)は「八戸駅から帰るはずが、乗る予定の新幹線に乗れなくなった」と嘆いた。
JR東日本青森支店によると、大雨で奥羽線、大湊線、津軽線、八戸線、五能線の計158本が運休した。