「お前らまだわけーのに、何言ってんだよ」後輩の“代表引退発言”に怒りのツッコミ? 37歳深津旭弘が“ボロボロになるまで頑張る”理由
弟・英臣の移籍も後押し
3歳年下の弟・英臣(ウルフドッグス名古屋)も刺激を受けた1人だ。かつて日本代表で正セッターを務め、2017年には主将も任されたが、その後代表から遠ざかっている。今年、長年所属したパナソニックパンサーズ(今季から大阪ブルテオン)を退団し、ウルフドッグス名古屋に移籍した。 移籍にあたっては旭弘も相談を受け、背中を押したという。 「はじめは『え、マジ? パナ辞めんの? 』と驚きましたけど、でもいいチャンスなのかなと。もうパナではやり切ってんじゃないかなと思ったから。何回も日本一になったし、毎回優勝争いしてるし、やることは全部やったじゃないですか彼は。だから(移籍は)またうまくなるいいきっかけになるんじゃないかなと思った。最後は『移籍いいじゃん。早く決めろよ』と言っていました(笑)。 『子供はどうなん? 』と聞くから、『子供なんて余裕だって! 』って(笑)。もちろん家族がいて子供も大きいから、そこはネックだと思うけど、『そんなのなんとでもなるわ。こっちはもう2回(移籍)してるぞ』って(笑)」 旭弘は33歳の時、JTサンダーズ(現・広島サンダーズ)から引退して社業に進むことを打診された。その時、引退を受け入れていたら今の姿はない。そこで現役続行を選び、堺ブレイザーズ(現・日本製鉄堺ブレイザーズ)に移籍。それが大きな転機となった。2年後、東京グレートベアーズに移籍し、代表でも道がひらけていった。 もちろん経験や人間性だけでなく、プレーも伴わなければ高いレベルの世界で生き残ることはできない。深津は30代になっても衰えないどころか、20代の頃より上手くなっている印象すらある。 「もう伸びないなとか、しんどいなというのはあまりない。自分1人でやっていたらたぶん無理だと思うけど、この人に頼ったらなんとかなりそうだとか、このメンバーとならもっと面白いバレーができるかなとか、そういうのがあるからできる。 自分の限界を打ち破ってくれるような人が周りにいるから、まだ大丈夫なのかなと。移籍してからいろんな人と出会い、頼りながらやっています。もう余裕で人に頼りますよ(笑)。体やメンタルのこととか全方面。その中で自分の可能性はまだあるなとポジティブにやれています」 重要なのは「体」よりも「思考」だと深津は言う。 「自分が何を考えているか、どれだけ想像できるかの問題。歳をとると自然とブレーキがかかってきて、想像ができなくなると、体もそれ相応の体になってしまう。でもそれを打ち破ることができれば、もっと世界が広がる。勝手に自分を制御してしまう部分をなくして、思考の限界をなくせば、体も動くんですよ、何歳でも」
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