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あなたの預金は一体どうなる? 現役銀行員が教える「休眠預金」の行方

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LIMO

最近、何かと耳にする機会が増えた「休眠預金」。たとえば、2020年5月20日付の朝日新聞※では「公益活動をするNPO法人などへの休眠預金を活用した助成金について、政府は新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急対応として、臨時に数十億円規模を増やす方針を決めた」と報じています。 そもそも休眠預金とは、私たちの生活にどのように影響してくるのでしょうか。今回は、そういった「休眠預金」に関する疑問を、現役銀行員である著者がやさしく解説していきます。 ※「休眠預金使ったNPOへの助成金、増額へ コロナ対応」(朝日新聞デジタル)

「休眠預金」とは?

休眠預金とは、10年以上動きのない預金のことです。他にも様々な定義や、休眠預金になる条件などありますが、まずは「10年以上動きがない預金」とイメージしてください。 休眠預金を、預金の状態で示すなら「預金者等が名乗りを上げないまま、10年間放置された預金」とも言えます。休眠預金は毎年1,200億円程度発生し、500億円程度は払い戻しされるので、差引くと1年で700億円の休眠預金が生まれていることになります(平成26~28年度の水準)。毎年700億円とはちょっと信じがたい金額ですね。 では次に、休眠預金を4つの特徴にわけて説明していきましょう。

休眠預金の特徴1:異動「預金者が名乗りを上げない預金」

異動とは「預金者が、今後も預貯金を利用する意思を表示したと認められる取引」のことです。 具体的に言うと、以下のようなことが異動と呼ばれています。  ・入出金  ・通帳や証書の記帳、繰り越し  ・預金者による残高照会(残高を問い合わせること) つまり、10年の間に上記のような何らかの動きがあれば、休眠預金にはならないというのが原則になります。逆に言えば、「10年間異動がなければ、預金者が名乗りを上げない放置された預金」として休眠預金になってしまうのです。

休眠預金の特徴2:移管「昔と今では休眠預金の取り扱いが違う」

昔と今とは、2018年1月に「休眠預金等活用法」が施行される前後の違いという意味です。休眠預金等活用法とは、毎年増え続けていく巨額な休眠預金を、社会に役立てようという趣旨で制定された法律です。 休眠預金自体は古くからあるもので、10年間異動がなければ休眠預金になることも、昔から変わっていません。 ただ以前は、休眠預金は銀行のものになっていました。これを「雑益(雑益預金、雑益口座)」と言います。 預金が休眠預金になると、一定の手続きを経て銀行の資産に組み入れられます。銀行から見れば、資産が増えて一時的な利益となることから「雑益」と呼んでいました。ただし、雑益になった後でも預金者から申し出があれば、休眠預金の払い戻しに応じる必要があるので、その場合は銀行の資産が減り「雑損」として処理されていました。 一方現在では、休眠預金が銀行から預金保険機構へと移され、やがては休眠預金等活用法により社会に役立てられることになっています。これが、いわゆる「移管」です。

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