「食のロボット展」には未来があった。人とロボットの協働はここまできている:FOOMA JAPAN 2022
惣菜盛り付けロボ「Delibot」…1日1000食で稼働中
新設されたスタートアップゾーンに出展する、コネクテッドロボティクスがデモンストレーションしていたのは、「Delibot」と名付けられた惣菜盛り付けロボット。「惣菜」はフードテック、省エネとともに、今年からFOOMAに加えられたカテゴリーだ。ポテトサラダ、きんぴら、胡麻和えなど「不定形の惣菜」を、重量センサーを備えたアームで一定量ずつ、素早くトレーに盛り付けることができる。 ポテトサラダのようなやや粘度の高い食材も、先端のハンドの形状やカバー、アームを振るように上下に動かすといった制御の工夫で、盛り付けられるようにした。すでに惣菜工場の製造ラインに4台の導入実績があり、1日1000食のポテトサラダを盛り付けているという。
粉をスコップで正確に秤取る「Powder Weighing」
技術商社たけびしのブースに出展するエクサウィザーズは、AIを用いて粉を正確に量り取るロボット「Powder Weighing」を展示した。 砂糖、塩、きなこなど、ものによって粒の細かさや凝縮性が異なる「粉」を、自社開発のAIプラットフォーム「exaBase」で解析。ロボットアームに取り付けたスコップで指定した量をすくうことができる。 カメラの映像とAIによる画像認識技術を組み合わせることで、粉の盛り上がりなどを立体的に認識し、スコップを差し込む角度や深さを細かく制御している。汎用のロボットアームを活用できることがポイントだと、担当者は説明していた。おそらくは導入コストを抑えられ、同時に省スペースで複数の粉に対応できるのもメリットだ。 これまで人が経験をもとにやっていた粉を量り取る作業を、1分で1kgほどのペースなら5%の誤差で自動化できるという。
画像認識で「超効率的な芯のくりぬき」を自動化するロボ「CUTR」
野菜などのカットを自動化する「CUTR」は、熟練の作業員でも7秒程度かかる「レタスの芯をくりぬく」という作業を、アームに取り付けたカッターを使って約5秒で実現するロボット。 作ったのは、一般消費者向けでは「めざましカーテン mornin'」のメーカーとしても知られるロビットだ。 「CUTR」は、不定形物のカット加工を自動化するソリューションで、カメラの映像からAIが芯の位置や角度を予測し、アームとカッターを制御する仕組み。レタスなどさまざまな種類の芯のある葉野菜に対応するだけでなく、トマトなど他の食材にも応用できるという。
太田百合子