冬の寝床に最適なのは、昔から使われているあの…
まだまだ寒さが続いているが、寝具の真冬装備は万全だろうか?気になるのが寝床に入った時のあの「ヒヤッ」とした感じ。特に冷え性の方はもっと敏感に、足先の冷たさを感じているかもしれない。 「ヒヤッとすることで眠気モードが寸断されて、一気に覚醒モードに切り替わる可能性もありますから、できるだけ冬場は寝床内の温度を上げておくことが必要になります」と話すのは快眠コンシェルジュ ヨシダヨウコさんだ。 ヨシダさんが指南する「ヒヤッと対処法」は以下の3つ。 1. シーツを厚手のものに変える 2. 布団乾燥機で温めておく 3. アンカ(湯たんぽ)を置く 「さらに言えば、根本的な冷え性も改善しておくと、もっと楽になると思います。すぐにでも切り替える方法としては、シーツを保温性の高いものに変え、寝床自体を温めるのが良いと思います」 寝床の最適な温度は、34~35℃といわれている。体温より少し低い程度。 「冬は上掛けより、下側つまり床面側のシーツや敷き布団に気を配ってください。ボア、さらにはムートンなどの暖かい素材や、遠赤外線などの機能があるもので、また冬でも汗をかくことを考え、吸湿性のあるものにしましょう。寝る前にヒヤッとしない程度にしておくと、寝つきが格段に変わります」 そして、対処法の中でも特に湯たんぽが良いのは、自然に温度が下がること。 「電気タイプのアンカなどもありますが、眠りが深くなるにつれ自律神経の活動も鈍るので、温度が一定に保たれると余計に汗をかいたり、肌の乾燥を促すことがあります。また、寝床全体を温める電気毛布などとは異なり、湯たんぽの場合は、暑くなれば自分で無意識のうちにカラダから遠ざけていくはずです。 湯たんぽを寝床で使用する時は、手足の温めも必要ですが、お腹を温めるのがオススメです。お腹には複数の臓器があり、多くの血液を温めることができるため、効率よく血液が循環して末端まで暖かくなってきます。湯たんぽをお腹の上に乗せて眠る姿を“ラッコ寝”と名付けて、流行らせたいぐらいです」 空気が乾燥するタイプの暖房が苦手な人は、日中でも湯たんぽをお腹に抱えて座ってみてはいかがだろうか?特に女性でお腹や腰が冷える人、月経やPMSが辛い人には効果的だそう。 さらに、寝起きに冷たい水で手や顔を洗うと血圧の急上昇を招くこともあるが、中に入れたお湯は、朝ほんのりまだ暖かく身支度にも再利用もできる。 昔から長く愛され続けてきた湯たんぽは女性にうれしい利点がたくさん。最近はおしゃれなデザインのものも多く発売されている。おひとついかが? 教えてくれたのは ヨシダヨウコさん ネムリノチカラ代表。快眠コンシェルジュ。日本睡眠学会正会員。 寝具店の娘として生まれ、心地よい睡眠を幼児期より体験するが、社会人になりたての頃、働きすぎで体調を崩す。また、実母の介護生活からも睡眠の重要性を再認識する。 漢方、発酵食、アロマ、呼吸、瞑想、ストレッチなどを取り入れ、日々「質の良い睡眠」を探求しながら、各方面へ発信中。代表を務めるネムリノチカラでは、企業の健康経営セミナーや個人の睡眠相談に応じるなど、睡眠全般についてのサポートを行っている。著書に『眠りのチカラ タイプ別睡眠改善&リッチ睡眠TIPS 101』(みらいパブリッシング)がある。