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「スイッチみたい」とまで言われたHVやEVのブレーキが激変! 最近回生ブレーキ付きのクルマが「自然な感触」を実現できたワケ

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従来のフットブレーキとは異なる回生ブレーキの感触に戸惑う

 近年、ハイブリッド車(HV)の回生(かいせい)作動時の違和感が減ってきている。1997年にトヨタから初代プリウスが発売されたときから、ブレーキはバイ・ワイヤーと呼ばれる仕組みに替わっている。それは、回生による減速とフットブレーキによる減速を併用するため必要になった技術だ。 【写真】初めてHV車に乗る人がとまどうポイント5つ!  バイ・ワイヤーとは、航空機から転用された操作の仕組みであり、運転者の操縦(クルマなら運転)操作が、直接ものを動かすのではなく、操作は電気信号に変換され、操作に応じた物の作動は、そのものに取り付けられた別の装置で行う。クルマのブレーキの例でいえば、運転者が行ったペダル操作が、そのまま油圧を通じて車輪のブレーキ装置を作動させるのではなく、運転者の操作を信号に変え、電線を通じてブレーキ装置に伝え、ブレーキ装置の油圧でブレーキパットを動かし、減速・停止させるのである。ここでいう、バイ・ワイヤーのワイヤーは、針金のような鉄線ではなく、電線を意味している。つまり、電線によって操作を行うという呼び名だ。  これを使うことにより、回生を行っている最中に運転者がブレーキ操作をしても、必ずしもフットブレーキは作動せず、回生による充電を十分行えるうちは回生に重点を置くことを、車載のコンピュータが判断して実施している。  運転者の操作とは別に機能が働く様子は、アクセルでも行われている。クルマの姿勢制御にもバイ・ワイヤーは応用されていて、運転者がアクセルペダルを踏んでいても出力を上げず、またブレーキを個別に働かせてタイヤがスリップしないようにしている。

緻密な制御が可能になり自然なフィーリングに

 話をHVのブレーキの感触に戻すと、トヨタとブレーキ部品会社は共同でブレーキ・バイ・ワイヤーの開発を続けており、現在の4代目プリウスに搭載されている装置はすでに6世代目へ進化している。  どこまで回生を活かし、どこからフットブレーキを介入させるかという制御をより精密で緻密に行う知見の積み重ねがある。さらに、その制御に対し、フットブレーキをどれくらい働かせるかという実際の動きをつくる作動装置(アクチュエータ)に、自然な感触を行えるきめ細かな改良が施されている。たとえば、200気圧という高い油圧を、0.1ミリメートルという極小のバルブ移動量で調整することを可能にしているのだ。  じつは回生は、充電が進むにつれてバッテリー充電量が増えると、発電を減らしていく。つまり、回生による減速は弱まっていく。それとともにフットブレーキの効きを高めていかなければならないので、非常に繊細な制御とブレーキの利かせ方が自然な感触を実現しているのである。制御の仕方と、それを実行する油圧装置との両方の進化により、HVの自然な減速感覚が実現しているのである。

御堀直嗣

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