日本で400人未満しか持っていない種類の運転免許も! 需要はあれどハードル高めの「二種免許」の世界!!
二種免許は簡単に取得できるものではない!
いうまでもないが、自動車を公道で運転するためには運転免許を取得しなければならない。これは立派な国家資格であり、免許保持者であることを証明する運転免許証は、身分証明書としても通用するほど権威のあるものなのだ。この免許にはいくつかの種類があり、運転可能な自動車の種類を表すものを「区分」と呼んでいる。「普通自動車」「中型自動車」「大型自動車」などといったものがそれにあたる。 【画像】運転免許のすべての区分を取得したフルビット免許の画像を見る 「種類」は「第一種運転免許」「第二種運転免許」「仮運転免許」にわかれる。「第一種運転免許」は自動車や原動機付自転車を、一般的な目的で運転する場合に必要な免許だ。「仮運転免許」は運転免許を取得しようとする人が、路上で運転の練習をするために取得するものとされる。 これらに対して「第二種運転免許」は旅客運送契約を遂行するため、自動車を運転する場合に必要な免許である。いい換えれば、お金をもらいお客さんを乗せて運転するときに必要な免許ということだ(運転代行で客の自動車を運転する場合も含むが、ライドシェアのような例外もある)。ゆえに、お金をもらっていても、荷物を運ぶ場合はその対象とはならない。 「二種」というと原動機付自転車にも存在するが、これは車両を排気量で分類したものだ。根拠法は国土交通省が所管する「道路運送車両法」なので、運転免許の「二種」の根拠となっている、警察庁所管の「道路交通法」とは異なる。すなわち、同じ「二種」でも別物なのである。 ひとくちに「二種免許」といっても、その種類には以下の5つが存在する。 ・大型自動車第二種免許……大・中型の路線、観光バスなど ・中型自動車第二種免許……マイクロバスなど ・普通自動車第二種免許……タクシー、ハイヤーなど ・大型特殊自動車第二種免許 ・牽引第二種免許……トレーラーバスなど ただ、大型特殊自動車と牽引車両の第二種運転免許を必要とする実態はほとんどないので、これらを取得する人は極めて少ない(大型特殊:428人・牽引:378人、警察庁発行の運転免許統計2024年版)といわれている。 第二種免許受験資格は、 ・21歳以上 ・受験予定の免許以外の第二種免許を既に取得している。あるいは、大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許、大型特殊免許のそれぞれ第一種免許のいずれかを、通算して3年以上保持(免許停止期間は除く、牽引二種の受験には牽引一種取得が必須、その他例外規定有り)している などである。 免許の取得は、比較的難しいとされている。例えば、普通自動車免許の場合、警察庁発行の運転免許統計2024年版によると、第一種は73.6%が合格しているが第二種は57.2%だ。大型自動車免許になると、第一種の合格率は91.1%で第二種は61.4%だ。おそらく、大型二種を受験するドライバーは、相応に運転経験が豊富なのであろう。 試験内容は適性検査、学科試験、実技試験の3種で、学科試験は90%の正答率が求められる。応用問題のほか、二種運転免許特有の問題も多い。実技試験では、運転操作や技術をとくに厳しくチェックをしているという。自動車教習所を卒業せずに、運転免許試験場で直接受験することも可能だが、それによる合格率は10%程度といわれていることもあり、多くは自動車教習所を経由して取得している。 このように、二種免許は簡単に取得できるものではなく、保持者はまさに自動車運転のプロといっても差し支えはない。ライドシェア導入の推進や、自動運転技術の開発が進められているものの、当面は少なからず需要の多い資格であると考えられよう。
トラック魂編集部