知らないと「40万円」も損する可能性も!?「ねんきん定期便」だけでは分からない年金とは
毎年誕生月に送付されるねんきん定期便では、国民年金や厚生年金の加入状況、将来受け取れるであろう年金額の内訳などを確認できます。しかし、年金にはねんきん定期便に記載されていない種類もあるため、必要に応じて内容をチェックしておくことが大切です。 人によっては、知っているか知らないかで40万円近く損をする可能性もあるかもしれません。今回は、ねんきん定期便の内容や、自分で調べないと受け取れる金額が分からない年金などについてご紹介します。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
ねんきん定期便で記載されている内容とは
ねんきん定期便では、年金の加入状況や将来受け取れる金額などを確認できます。日本年金機構によると、50歳未満の方でねんきん定期便でチェックできる項目の例は以下の通りです。 ●これまでの加入実績に応じた昨年度時点および当年度時点での年金額 ●国民年金および厚生年金の月別加入状況 ●累計年金保険料納付額 ●累計年金加入月数 ●加入実績に応じた年金額の内訳 基本的に支払っている国民年金や厚生年金に関することは分かりますが、自分で申請しないと分からない種類の年金や加算については記載されていません。 該当するかどうかは、自分で調べる必要があります。
ねんきん定期便に記載されていない年金とは
ねんきん定期便に記載されておらず、条件に合致したら受け取れる年金は「加給年金」「振替加算」「寡婦年金」などです。いずれの年金も自分から申請をしないと受け取れないため、内容を知らないと自分が該当していることを知らずに損をする可能性があります。 ■加給年金 加給年金は、厚生年金保険に20年以上加入していた方が、65歳に達したときに扶養している配偶者や子どもがいると受け取れる年金です。ただし、配偶者や子どもには年齢制限が定められており、定められた年齢を超えたり死別や離婚をしたりすると終了し、受け取れません。年齢制限は以下の通りです。 ●配偶者:65歳未満 ●子ども:18歳に達する年度末まで/障害が1級もしくは2級状態に相当するなら20歳未満 配偶者が条件を満たしていれば23万4800円、子どもなら2人目までが1人につき23万4800円、3人目以降は7万8300円ずつを受け取れます。また、配偶者は生年月日に応じて特別加算も加わるため、年金額はさらに増えるでしょう。 ■振替加算 振替加算は、加給年金の対象となっている配偶者が65歳に達して加給年金を打ち切られた際、配偶者が老齢基礎年金の受給権を有していると配偶者側の年金額に加算される制度です。 上記以外に、振替加算が支給される条件は以下の通りです。 ●大正15年4月2日~昭和41年4月1日生まれ ●配偶者が老齢基礎年金のほかに老齢厚生年金や退職共済年金を受けている場合は、厚生年金保険および共済組合等の加入期間をあわせて240ヶ月未満であること ●配偶者の共済組合等の加入期間を除いた厚生年金保険の35歳以降の(夫の場合は40歳以降の)加入期間が指定された加入月数の基準未満であること 振替加算で受け取れる金額は、生年月日に応じて細かく決められています。自身が該当する場合は、日本年金機構の公式サイトなどで確認しておきましょう。 ■寡婦年金 寡婦年金は、亡くなった夫が一定の条件を満たしていた場合に妻が60~65歳まで受け取れる年金です。条件は以下のように定められています。 ●夫が死亡日の前日において国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間および国民年金の保険料免除期間が10年以上ある場合 ●夫が老齢基礎年金や障害基礎年金を受け取ったことがない ●夫の亡くなった時点で妻が扶養されていた 条件を満たしていれば、夫の第1号被保険者期間で算出した老齢基礎年金額の4分の3を受給できます。ただし、妻が繰り上げて老齢基礎年金を受給していると受け取れないようなので注意が必要です。
加給年金や寡婦年金などはねんきん定期便で確認できず自分で申請が必要
ねんきん定期便で確認できる項目は、年金の加入月数や内訳など基本的なものです。もし老齢基礎年金や老齢厚生年金以外の年金も対象になっていた場合は、自分で調べて申請する必要があります。 本人や配偶者の加入状況によって金額が変動したり受給の可否が決まったりするケースもあるので、よくチェックしておきましょう。 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部