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清潔すぎる環境、健康に悪くはない 英報告書

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The Guardian

【記者:Sarah Boseley】  清潔すぎる環境は健康に悪影響を及ぼし、子どもたちは細菌にさらされる必要がある──こうした考え方について英王立公衆衛生協会(RSPH)は「危険を伴う通説」であるとの見解を示した。  RSPHは、「アレルギーは清潔すぎる環境によるもので、免疫力を高める上で必要となる菌を殺してしまっていることから起きる」といった公衆衛生にまつわる仮設が一般に浸透し、間違って解釈されていると指摘している。  RSPHは、屋外での泥遊びで良い菌にさらされることが子どもたちにとってプラスに働くのは間違いないとしながら、食事の前やトイレの後に手を洗うことも非常に重要であることを強調した。  報告書「Too Clean or Not Too Clean(清潔すぎるか清潔すぎないか)」の筆頭執筆者でロンドン大学衛生熱帯医学校のサリー・ブルームフィールド名誉教授は、「この問題についてはそろそろはっきりさせるべき」「市民がとても混乱している」と指摘する。  調査では、屋外で遊んだ後の子どもの汚れた手によって細菌が拡散していると誤って理解している人が、5人に2人いることが分かった。こうした誤った認識について報告書では、健全な免疫系をつくるためにも外遊びや動物との触れ合いは大切であると記されたが、その一方で調理や食事の前に清潔さが確保されていることも非常に重要と指摘されている。  調査ではまた、回答者2000人の23%が、「免疫力を高めるために、子どもは悪い菌ににさらされる必要もある。家庭内での衛生は重要ではない」という考え方に賛同していることが判明した。  衛生を重要視しない傾向は、女性よりも男性の方が高かった。トイレを使った後にせっけんで手洗いをしなくても健康へのリスクは低い/全くないと考える女性は全体の7%にとどまったが、男性では16%と女性の2倍以上となった。生肉を触った後にせっけんで手洗いをすることは重要ではないとしたのは、女性4%、男性8%だった。  この問題をめぐりRSPHは、「衛生環境のターゲットをしぼる」ことを呼びかけている。床拭きはあまり重要ではなく、水を流すことで除菌できる便器の掃除にもそう時間をかける必要はないが、調理器具と皿洗いのふきんを清潔に保つことは大切だと説明された。  感染を防ぐのに最も重要となるのは手洗いだ。トイレに行った後やペットと遊んだり世話をしたりした後、食べ物を準備する前後、せきやくしゃみ、鼻をかんだ後には手洗いが欠かせないというのだ。  ブルームフィールド氏は、「1980年代から1990年代にかけて食中毒感染の件数が急上昇し、食品基準庁(FSA)が感染拡大の阻止に力を注いだ。しかし、許容範囲を超えての感染が現在も続いている」と話し、「呼吸器疾患も同じだ。我々はインフルエンザ感染拡大の危機に常にさらされている。もしパンデミックとなった場合、真っ先に影響を受けるのはいつも市民だ。ワクチンが開発されるまでそうした状況が続く」と続けた。【翻訳編集:AFPBB News】 「ガーディアン」とは: 1821年創刊。デーリー・テレグラフ、タイムズなどと並ぶ英国を代表する高級朝刊紙。2014年ピュリツァー賞の公益部門金賞を受賞。

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