北朝鮮の労働新聞が「プーチンの祝典」を「習近平」より先に載せたわけは
朝鮮民主主義人民共和国の創建(9・9節)76周年を迎え、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、中国共産党中央委の習近平総書記兼国家主席が、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記兼国務委員長に祝電を送った。北朝鮮官営「労働新聞」が9日付の3面に掲載した。 習近平主席は祝電で「中朝両国は山と川が接しており、伝統的な親善は歳月が流れるにつれて一層堅固になっている」とし、「戦略的コミュニケーションを深め、連携と協力を強化する」と述べた。習主席の祝電は、元旦に金委員長と祝電を交わし、「中朝外交関係設定75周年」の今年を「中朝親善の年」と共同宣言して以来、8カ月ぶりのことだ。 習主席は「新たな時期、新たな情勢の中で中国側は引き続き戦略的な高さと長期的な角度から中朝関係を捉えアプローチする」と述べた。これは元旦の祝電に書かれた文言とほぼ同じだ。さらに習主席は「両国人民にさらに多くの福利を用意し、地域と世界の平和と安定、発展と繁栄により大きく貢献する用意がある」と述べた。 プーチン大統領は祝電で、「両国の関係は高い水準に達しており、これについては先日平壌(ピョンヤン)で行われた我々の建設的で豊富な内容の会談が明確に示している」と述べた。プーチン大統領は6月19日の平壌訪問で、金正恩委員長と首脳会談を行い、「包括的戦略パートナーシップ条約」を発表した。プーチン大統領の祝電は「祖国解放79周年」と呼ばれた8月15日に金総書記と祝電を交わしてから25日ぶりのことだ。 「労働新聞」の3面には各国首脳と主要政党の指導者が送ってきた祝典がまとめて掲載されたが、ロシア大統領→中国国家主席→ベトナム国家主席→ラオス国家主席→キューバ国家主席→「統一ロシヤ」委員長の順だった。 脱冷戦期の北朝鮮の対外関係の優先順位は常に中国の次にロシアだったことから、今回、プーチン大統領の祝典が習主席の祝典より先に掲載された事実に注目する必要がある。金委員長は2023年と2024年にプーチン大統領と相次いで2国間首脳会談を行ったが、習主席とは2019年6月の平壌首脳会談以降、5年以上会談を開いていいない。キューバ国家主席の祝電が、ベトナム、ラオス国家主席の祝電より後ろに載せられた点も注目に値する。2月14日に韓国と国交を樹立したキューバに対する北朝鮮の不快感が現れている。 一方、8日夜、平壌の金日成(キム・イルソン)広場で「朝鮮民主主義人民共和国創建76周年慶祝集会および夜会」が開かれ、キム・ドクフン首相が演説を行ったと、「労働新聞」が1面に報道した。金委員長は出席しなかった。 イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )