「佐々木朗希は山本由伸ではない」 メジャー移籍狂騒曲、米メディア冷静な見方も 「日本での実績は雲泥の差だ」
ロッテからポスティングシステムでメジャー移籍を目指す佐々木朗希投手(25)の交渉が10日(日本時間11日)に解禁された。交渉期間は来年1月23日(同24日)までの45日間。20球団以上がウルフ代理人に接触するなど『狂騒曲』が繰り広げられている一方、慎重を期するよう呼びかける米メディアも存在する。 ◆大谷翔平、佐々木朗希と親しげに肩を組む【写真】 12日(日本時間13日)の米放送局CBSスポーツは、佐々木を「長期的にはポール・スキーンズを除けば誰よりもすごい成長をするかもしれない逸材」と、今季カブスの今永昇太を抑えて新人王を獲得した豪腕になぞえらえて称賛しつつも、「佐々木は1年前の山本由伸と同格ではない」と断じた。 「佐々木は少し過大評価されている。あまりに多くの人々が1年前の山本由伸のような見方をしているが、来季は彼らが思っているようなエース級の働きをする可能性は低い。日本での実績は山本と比べれば、雲泥の差だ」 同局が挙げたスタッツは『ERA+(球場による有利不利の要素を加味し、リーグ平均を100で換算した防御率)』だ。佐々木は2022年が156、23年177、24年129。一方、山本の日本での最終3年間は21年が250、22年188、23年272と、確かに両者には大きな差がある。 以上から、同局は「佐々木はなお未完成な投手なのだ。自己最多も130イニングで、しかもそれは2年前の22年。故障で直近2年間は91、111イニング。メジャーへの適応段階うんぬんを抜きにしても、非常にリスキーだ」とした。 オリオールズの地元メディア、ボルティモアバナーも同日、佐々木について「(23歳でマイナー契約に限定されるため)契約金も低く抑えられることは、市場規模が小さいオリオールズにとっては有利だ」と前置きしながらも「しかし、メジャーでの実績はなく、日本での実績がメジャーでの成功に常に直結するわけでもない」と、懸念材料を提示した。 さらに、昨季後半は藤浪晋太郎投手(現在はメッツ傘下からFA)がオリオールズに所属していたこともあり、「藤浪晋太郎だって大谷翔平よりいい投手だと言われていた時期もあった。だが制球力がなく、今季はメッツでマイナー暮らしだった」と、同じ右の豪腕の苦闘を指摘した。
中日スポーツ