ジャパンCで「3強」の一角崩しに期待。伏兵扱いの実力馬が3頭いる
GIジャパンC(東京・芝2400m)が11月29日に行なわれる。 今年は牡牝の無敗の三冠馬、コントレイル(牡3歳)とデアリングタクト(牝3歳)が参戦。さらに、史上最多の芝GI8勝をマークしたアーモンドアイ(牝5歳)も出走し、空前絶後のレースとして、大きな注目を集めている。 【写真】過去データから導いたジャパンCの「大穴」 とはいえ、この「3強」がそのまま上位を独占するとは限らない。なにしろ、「3強」以外にも現役トップクラスの馬が集うレースである。戦前の評価で"伏兵"扱いに甘んじた実力馬が「3強」にひと泡吹かせても、何ら不思議なことではない。 となれば、その可能性がありそうな馬を見出したい。そこで、過去10年の結果からどんな馬が穴をあけているのかを見極め、今年のレースで大駆けが期待できる存在を探し出してみたい。 まず、注目したいのは、GII京都大賞典(京都・芝2400m)を経てジャパンCに挑む馬だ。というのも、過去にその臨戦過程で波乱を演出している馬がいるからだ。 いい例となるのは、2016年に5番人気で2着となったサウンズオブアースと、翌2017年に5番人気で勝利を挙げたシュヴァルグランである。ともに京都大賞典では、サウンズオブアースが3番人気で4着、シュヴァルグランが1番人気で3着と、人気を裏切って敗戦。その結果、ジャパンCでは人気を落としたものの、見事な巻き返しを決めた。 このパターンに近い馬が今年もいる。パフォーマプロミス(牡8歳)だ。
京都大賞典からの参戦馬というと、グローリーヴェイズ(牡5歳)も当てはまるが、同馬は同レースの勝ち馬。過去例の"ジャパンCで巻き返し"という意味合いとは異なるため、ここでは穴馬候補からは外したい。 さて、肝心のパフォーマプロミスだが、すでに8歳馬のベテラン。京都大賞典でも6着に敗れて、ジャパンCではかなりの人気急落が予想される。 それでも、重賞3勝の実力馬。昨春のGI天皇賞・春(京都・芝3200m)でも3着と好走している。さらに、前々走のGIII鳴尾記念(6月6日/阪神・芝2000m)では、それ以来となる約1年ぶりのレースで快勝。いまだ能力に衰えは感じられず、ベテランならではの"レースのうまさ"で、「3強」の間隙を突く可能性は十分にある。 続いて狙いたいのは、GIウイナーながら、近走がパッとしない7歳馬だ。この例となる馬も、過去に2頭いる。2011年に14番人気で3着に入ったジャガーメイルと、2013年に11番人気で3着となったトーセンジョーダンである。 ジャガーメイルは、その前年の天皇賞・春で初の戴冠を果たす。そして、その後もGI戦線で奮闘してきたが、掲示板に載るのが精いっぱい。7歳を迎えた春は全休し、前々走の京都大賞典で4着、前走のGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)でも9着に敗れ、その存在は完全に薄れていた。 トーセンジョーダンも、5歳時に天皇賞・秋を制覇。続くジャパンCでも2着と健闘し、6歳春の天皇賞・春でも2着と好走していたが、以降はパッとしなかった。ジャガーメイル同様、7歳春は全休し、前々走のGII札幌記念(函館・芝2000m)で13着、前走の天皇賞・秋でも11着と敗れ、もはや"終わった存在"と見られていた。 しかし、このジャパンCという舞台で、不振の7歳馬が息を吹き返したのである。そして、これらに似た存在も、今年の出走馬の中にいた。