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【認知症】親の預金を子供が引き出せるように それでもまだ必要な「後見人」について意義も解説

配信

マネーの達人

今年(2020年)7月15日に金融庁金融審議会が示した報告書案において、 「要件を充たせば認知症などで判断力が低下した人の預金を家族が引き出せるような対応をすることが望ましい」 という方針が示されました。 既に今年3月に、全国銀行協会でも同様の対応を業界で統一することを目指す旨を決めており、今回の報告書案により対応の実施を後押しされる形となっています。

これまではほぼ「引出し」は認められず

これまで預貯金の本人以外の引出しについては、銀行をはじめとする各金融機関の判断に任せていましたが、引出しが認められるケースはほとんどないのが現状でした。 その理由としては、成年後見人制度の利用につき、昨年(2019年)3月に最高裁判所が、「成年後見人は親族が望ましい」という見解を出したことによります。 しかし、金融機関が、トラブルが自分の身に及ぶのを避けるためというのが大きいでしょう。 親の介護費用だから、と子への出金を認めたが遊興費に使われたとして裁判になった場合、金融機関の責任が問われるとまではいかなくとも、書類の提出を求められ、他の家族には責められるなどで業務に支障をきたすのは困るという訳です。 確かに事情は分かりますが、金融機関にとって、顧客の生活はどうでもよいのでしょうか。 どうしても預金を引き出したければ法定後見人をたてるしかありませんが、選任されるまで最低でも3か月かかります。 その間、顧客である本人が困窮するかもしれません。

出金の要件について

認知症となる人の数が増え、介護が大きな社会問題となるなどして、金融機関も現状打開に取り組み、冒頭の流れとなりました。 ただし、介護が必要となった顧客の利便性を図るという趣旨から外れないよう、預金の出金を求める家族に対し、少なくとも戸籍抄本等で本人との家族関係が証明でき、かつ施設や病院などの請求書により、出金額が本人への介護(治療)に使われることを明らかにできる、という要件を課すとしています。 安全を期すため、金融機関が直接当該施設等へ支払いをするという運用を金融機関が採ることも想定できますが、いずれにせよ本対応の実現により多くの家族が助かります。

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