Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

「誰か相手にしてくれると思いますか?」20代障がい者が漏らした結婚の壁 「共生社会」という言葉の限界

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
withnews

配偶者を持つ・持たないの判断はもちろん個人の考えによりますが、もしも結婚を阻む要因が「障がい」だったら――。ある20代の若者の「誰か相手にしてくれると思いますか?」という言葉から、障がい者が直面する、「当たり前」を阻む壁を感じたという、車いすユーザーの篭田雪江さん。本当の意味での「共生社会」の壁となっているものについて綴ってもらいました。 【バリアフリーを考える漫画はこちら】障害者を「ギャグ」にした漫画家 ヤンキーとのラブコメ

20代後半の車いすユーザーの嘆き

「誰か相手にしてくれると思いますか?」 目の前に置かれたハンバーグをフォークで荒っぽくつつきながら、J君は言った。今までのやわらかな笑顔は一転、口の端をゆがめた苦いものに変わっていた。 それを聞いた私はなにも返せず、冷めかけたコーヒーに口をつけた。J君の笑いのように苦かった。 前年秋のこと。私は久しぶりにJ君とファミレスで飯を食った。J君は元同僚である。年齢は20代後半で、出産時にトラブルがあったため股関節の身体障がいを抱えている。ある程度両脚の可動はあるのだが、歩行までは困難なので普段は車いすに乗っている。同年代の健常者より若干身長が低く、腕も健常者よりは短い。 専門学校卒業後、私の前職場に就職してきた。デザイン部門に配属された後はめきめき能力をあげ、職場の若手ホープとなった。やがてその腕をかわれ数年前、フリーペーパーをいくつも発行しているデザイン事務所へ転職した。今はデザインだけでなく、自ら企画を立ち上げ記事を書くライターとしても活動している。その活躍の様子やインタビューが、地元新聞に掲載されたこともある。 プライベートでも車いすバスケチームに所属してあちこちの大会に出場している。昔から好きだったというギター演奏も達者だ。弾き語りライブにも出たことがある。スマートフォンで動画を観させてもらったが、膝の上でフェンダーのギターをかき鳴らし、歌う姿はかっこいい、のひと言だった。  悔しさもわかないくらいの「優良物件」である。仕事は有能、趣味はバスケとギター。書き忘れていたけど顔も童顔で、いわゆる母性本能をくすぐる、というタイプだ。性格もおだやかで優しい。 今は付き合っているひとはいない、というから合コンとか婚活パーティとか出てみたらいいんじゃない、J君なら絶対いけるよ、と私は気楽に口にした。 その後J君が言ったのが、冒頭のひと言だった。

【関連記事】