「人生終わった」とか言ってない?負のループ地獄から抜け出す“名言劇薬”3選
誰にでもある失敗の瞬間や悩みごと。鬱屈した気持ちの解消におすすめなのが古今東西の「名言」だ。過去に同じように悩んだり考えた人々の名言に耳を傾けると、驚くほど前向きになれることがある。本稿では、12月5日発売の『人生が好転する95の言葉 大人のための“名言ケア”』(創元社)から、ピンチな状態にあるあなたを救う珠玉の名言を3つ厳選して複数回に分けてご紹介する。第一弾は「仕事のミス」。名言をこっそりじっくり噛みしめよう。(コラムニスト 石原壮一郎) 著者プロフィールを見る ● 仕事で大きなミスをした! 厄介な負のループから抜け出す策は? 人間は失敗する生き物です。仕事においてミスは付きもの。そうは言っても、大きなミスをしてしまったら、落ち込まずにはいられません。ただ、落ち込んでも何の解決にもならないどころか、落ち込むことで事態がさらに悪化することもあります。 厄介な負のループから抜け出すために、「名言」の力を借りてしまいましょう。古今東西の名言は、人類の智慧の集大成です。人生という険しい道のりを歩む世界中の人々に、励ましや慰めや勇気を与えてきました。つらいときや苦しいときほど、名言に込められたメッセージがより強く心に響いてくれるはずです。 第一弾は仕事で大きなミスをして落ち込んでいるあなたに贈る3つの名言を選びました。こっそりじっくり噛みしめてみてください。 ひとつ目に贈りたいのは、ニーチェのこの言葉。大きなミスをした今は「もう自分はおしまいだ」ぐらいの気持ちになっているのかもしれません。しかし、一歩引いたところから見ると、ミスをしたときも成功した瞬間も長い仕事人生の1シーンです。 名言その1 【人は常に前へだけは進めない。引き潮あり、差し潮がある】 By フリードリヒ・ニーチェ(ドイツの哲学者・古典文献学者/1844~1900年) 実存主義を代表する思想家の一人。神の死、ニヒリズム、ルサンチマン、超人など独自の概念に基づいて、「生の哲学」と呼ばれる思想を生み出した。著書に『ツァラトゥストラはかく語りき』など。 もしも海の潮が満ちる一方だったら、やがて世界中が海中に沈んでしまいます。実際には、引き潮(下げ潮)があれば差し潮(上げ潮、満ち潮)もあるので、そんなことにはなりません。人も、上り調子のときもあればその逆もあります。 仕事で壁にぶつかったり、予想外のアクシデントが起きたりしたときには、この言葉を噛みしめましょう。調子よく行っている場合も、この言葉を思い出して「いい状態はいつまでも続かない」と自分を戒めたいもの。引き潮のときも差し潮のときも、状況に応じた泳ぎ方で、人生という荒波を乗り越えていきましょう。 悪いことが起きたときに、「こんなはずじゃない」と現実から目をそらしたり、誰かや何かのせいにしたりするのは禁物。ますます勢いよく潮が引いていくでしょう。そして、いいことが起きたときには、感謝の気持ちを忘れないようにしたいものです。 ●結論 前に進めない状況になったとしても、そのうち必ず潮目は変わってくれる 続いて贈りたいのは、フランスの哲学者・評論家・教師だったアランの言葉。「落ち込んでいる」というのは、つまり「悲観主義」に支配されている状態と言えます。次の一歩を踏み出すためには、どうにかその状態から抜け出したいところ。「楽観主義」を呼び込むヒントを探りましょう。