ベトナム人を許可なく農家で…「ブローカー」大阪の男女3人逮捕 職安法違反容疑 コロナ影響で働き手不足…狙われたか
国の許可を得ずに長野県南牧村の農家で技能実習生のベトナム人3人を働かせていたとして、大阪の会社員の男女3人が職業安定法違反の疑いで逮捕されました。 職業安定法違反の疑いで(※無許可労働者供給事業)逮捕されたのは、大阪市に本社を置く「ホアンアン合同会社」の代表社員・柴田由起子容疑者(45)と業務執行社員のベトナム国籍・ダン・ヴ・ホアン容疑者(25)、西山富雄容疑者(65)の3人です。 警察によりますと、3人はいわゆる「人材ブローカー」で今年6月中旬から9月下旬までの間、厚生労働大臣の許可を得ずに南牧村の農家でベトナム人の男3人を働かせた疑いです。警察は3人の認否を明らかにしていません。 また、柴田容疑者ら3人が働かせていたベトナム人農作業員3人は技能実習生として入国し、資格がないのに農家で働いていたとして、入管難民法違反の罪で(※資格外活動)22日までに逮捕・起訴されました。 3人は、おととしから去年にかけて技能実習生として入国していましたが、今年2月から4月にいずれも実習先から失踪していました。いずれも容疑を認めているということです。3人を受け入れた農家は、違法性について認識していませんでした。 また、南牧村では先月、柴田容疑者らが同じ農家で働かせていた別のベトナム人の男2人が、お互いを包丁で刺したり、バットで殴るなどして傷害罪で起訴されていて、その捜査の過程で、今回の事件が発覚したということです。このうち、包丁で刺したとされる容疑者はおととし7月に留学の資格で入国しましたが、在留期限の去年10月までに在留期間の更新などを行わず、不法に滞在したとして入管難民法違反の疑いで22日に再逮捕されました。 警察は柴田容疑者らがほかにも佐久地方の農家で複数のベトナム人を無許可で働かせていた疑いがあるとみて、全容解明へ調べを進めています。 また、関係者によりますと、佐久地方の農家は新型コロナウイルスの影響で外国人の働き手が不足しているところも多く、そこを狙われた可能性もあるとみています。