“逆輸入ボクサー”坂井祥紀が日本タイトル初挑戦「倒すところを見てもらう」
◆プロボクシング 日本ウエルター級(66・6キロ以下)タイトルマッチ10回戦 王者・小原佳太―日本同級4位・坂井祥紀(8日、東京・後楽園ホール) 日本ウエルター級王者・小原佳太(34)=三迫=と挑戦者の日本同級4位・坂井祥紀(30)=横浜光=が7日、前日計量などに臨み、ともにリミットから300グラム軽い66・3キロでパスした。新型コロナウイルス感染症のPCR検査はともに陰性だった。戦績は小原が23勝(21KO)4敗1分け、坂井は25勝(13KO)11敗2分け。 計量後、オンラインでの取材に応じた坂井は「減量はきつい方ではないので、いつもどおりですね」と順調をアピール。帰国3戦目での日本タイトル初挑戦については「自分で想定していたのより、だいぶ早かった。小原選手は今、一番強い選手。試合ができると決まってうれしかった。どんな形になっても対応できるようにしてきた」という。 兵庫・尼崎市生まれ。中1でボクシングを始め、兵庫・西宮香風高に進んだ。2010年に単身、メキシコに渡り、ヒルベルト・ローマン&ダニエル・サラゴサジム(ロマンサジム)入り。元世界5階級制覇王者ホルヘ・アルセ(メキシコ)、元世界6階級制覇王者オスカー・デラホーヤ(米国)らを育て、世界ボクシング殿堂入りもしている名トレーナー、イグナシオ・ナチョ・ベリスタイン氏(81)の指導も受けた。15年9月にWBC世界ユース・スーパーライト級王座を獲得。17年4月以降は米国のリングで戦ったが、18年4月から4連敗。「自分の限界を感じ」、原点からやり直そうと、仲の良い元IBF世界スーパーバンタム級王者・小国以載(角海老宝石)に相談し、帰国を決めた。昨年8月の帰国初戦に勝って日本ランカー入り。同12月の帰国2戦目も判定勝ちし、国内3戦目で日本王座に挑むことになった。 ナチョさんとは時折、SNSでやりとりをするという。今回のタイトル挑戦について、人づてながら「頑張れよ。日本のチャンピオンになることは誇りだから」などのナチョさんの言葉を伝えられた。坂井は「励みになる」と静かに闘志を燃やした。 帰国してから食生活でも少し変化が起きた。これまで、減量後のリカバリーでの食事はパンとパスタが中心だったが、坂井は「日本に帰ってきてからは米を食べています。やっぱり米の方が力、入りますね」とニッコリ。「小原さんを倒すところを見てもらいます」。逆輸入ボクサーは“お米パワー”で最強王者の牙城を崩す―。
報知新聞社