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没収相次ぐ? 1万円の納豆生涯無料パスポート、適正価格は何円?

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ITmedia ビジネスオンライン

 1万円で納豆ご飯定食が生涯食べ放題――。  ちょうど1年前、茨城県の納豆ご飯専門店「令和納豆」がクラウドファンディングを通して1000万円以上の資金調達に成功した。その立役者は、何といっても1万円以上の支援で配布された「納豆定食生涯無料パスポート」にあるだろう。しかし先月から、「無料パスが没収された」という旨の苦情がSNS上で炎上し、店舗側がその対応に追われている状況だ。 納豆パスポートの適正価格の計算には、百貨店の「友の会」が参考になる  確かに、クラウドファンディングに際して、令和納豆側は「無料パスで経営が傾くことはない」という趣旨の投稿をしていた事情もある。しかし、コストとリターンのバランスを考えると、無料パスは「見えている地雷」であり、避けるべき案件であることが明白であった案件であると筆者は考える。  そこで、今回は無料パスにおけるコストとリターンの適性バランスを分析し、その適性価格はいくらだったのかを検討していきたい。

無謀な利回り

 筆者は、「納豆定食生涯無料パスポート」が“HYIP”に近い性質だったと考える。HYIPとは、「High Yield Investment Program」という詐欺のひとつだ。HYIPの勧誘文句としてよく用いられているのは「日利で1%が手に入る」といった、あり得ないレベルの利回りを投資家に提示する。  日利1%を複利換算すると、年利3678%となる。つまり、このプログラムに100万円を投資すると、翌年に約3700万円になって戻ってくるという条件だ。5年ものの個人向け国債の適用金利が0.05%、国内株式の期待収益率が年利平均で4〜5%程度であることから考えても、破格の利回りとなる。当然安定的にそれほどのリターンが見込める投資対象は存在しない。そのため、HYIPでは他の投資家から預かった資金を配当に充て、隙をみて夜逃げするのが常とう手段となっている。  それでは、無料パスの“年利”はいくらだろうか。無料パス取得に必要な支援額は1万円だ。そして、この無料パスを使えば500円の納豆定食を1日1食、生涯無料で食べられる。つまり、本件は「日利5%の投資案件」という見方もできる。ただし、納豆定食は「複利」ではなく、同額のリターンを継続的に得られる「単利」となる。それでも365日無料で納豆定食を食べ続ければ、1万円に対して20万円以上のリターン、年換算で2000%以上の利回りを享受できてしまう。  これがお金の貸し借りの話であれば、そのような話に応じる者はいないだろう。「1万円貸してくれたら来年から毎年20万円振り込む」という言葉を信じてお金をだまし取られた場合、大抵は「そんな言い分を信じる方が愚かだ」と言われるはずだ。  ただし、令和納豆が詐欺行為を働いたかといえば、それはまた別の話になる。事業を開始してから冷静に再考した結果、「1万円で1099人に納豆定食を生涯提供し続けることはそもそも難しい」と気づいたのかもしれない。無料パスによる経営破綻を避けたいがために、一部の顧客から無料パスを没収したことが今回のトラブルにつながってしまった可能性がある。  それでは、リターンを継続的に得られる性質のクラウドファンディングにおいて、安全なリターンの目安はどのように見極めるべきだろうか。

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