『ユーチューバーに娘はやらん!』佐々木希が残された新婦を好演 前代未聞のソロ披露宴!?
主人公・平千紗(佐々木希)の衝撃の“ソロ披露宴”がフルスロットルで描かれた、秋元康企画・原作の『ユーチューバーに娘はやらん!』(テレビ東京系)第1話。 【写真】父・総一郎を演じる遠藤憲一 物語は、千紗の新郎となるはずだった竜二(細田善彦)が結婚式場に乱入した男と逃げ出すところから始まる。続々と披露宴の参列者が集まり始め、式場側からこの後披露宴を続行するのかどうかの決断に迫られる千紗が出した答えが“ソロ披露宴”の決行だったわけだ。キャンセルにしたところで、どうせ後で説明しなきゃいけないし、噂に尾ひれが付いて回るくらいなら、ここで全員に事情を説明した方が良いと判断したようだ。「私、恥じるようなこと何もしてないもん。黒歴史じゃない」と言う千紗、只者じゃない。 新郎不在の前代未聞の“ソロ披露宴”の裏で、新郎となる予定だった竜二の関係者がバックアップすることとなる。テレビ局員だった竜二の上司・榎本信(金子ノブアキ)は披露宴のフロア回しを、竜二の従兄弟で登録者数100万人越えの人気ユーチューバー・タックタック(戸塚純貴)はこの披露宴の舞台裏を撮影し、動画編集してエンディングムービーを制作することに。 新婦一人での入場、新郎不在の高砂席、父・総一郎(遠藤憲一)による司会に、父との異例のウエディングケーキ入刀……このぶっ飛んだシチュエーションの数々や試練も、何とか成立させられているのは千紗のへこたれなさと、そんな彼女を好演する佐々木希のクルクルと次々に変わる豊かな表情に一人ノリツッコミ、そして周囲の家族の温かさがあってこそだろう。コミカルにグングン物語を推し進め、乗り越えていく様子に惹き込まれた。 信が制作していた2人の馴れ初めなどがまとめられたプロフィールムービー「ふたりの愛の足跡」だけでは今となっては切なさのみが募るところを、TAKTAKがその素材を調理し、先に突っ込みを入れることで千紗への周囲の視線やあらぬ噂をブロックすることに一役を買っていた。ある意味、人生の、日常生活のあらゆることを全てネタとして動画に収め昇華させているユーチューバーの“ピンチやトラブルこそおいしい”と思える精神によって、窮地の千紗は救われた部分があったのも確かではないだろうか。 千紗の最後のスピーチは見事だった。竜二に置いていかれた時にショックより先に披露宴をどうしようという世間体が頭を過ったことを告白し、竜二のことを「世間体とか全部放り投げて走って行ったんだなって。ここにいる私とは反対の行動を取りました。少しだけすごいなって。あんなに自分の気持ちに正直な行動をして。私にはできません。だからしょうがないと思うんです! 皆さんもどうか責めないであげて下さい」と締めた。周囲と、そして自分の前を向く力で、“人生最悪な日”を“ギリギリ人生で二番目に最悪な日”に仕上げたのだ。 このとんでもないコンテンツメーカー・千紗はタックタックと信、2人の心を射抜いてしまう。式場側からは千紗の健闘を讃え、3カ月後の仏滅の日であれば全額無料で披露宴を実施できるとの申し出を受けるが、彼女はこの雪辱戦に挑むのか。彼ら3人の三角関係の行方、テレビ局員VSユーチューバーの構図にも注目していきたい。
佳香(かこ)