秋田のクマは吹き矢麻酔→電気ショック→焼却、駆除対応に県外から集まる暴言カスハラ電話
2023年に最も熊の人身被害の多かった秋田県。今年11月30日に秋田市内のスーパーにツキノワグマが出没し居座ったことが、全国的に報じられた。その後、熊を殺処分したことが発表されたことで、市の担当部署に「可哀想」「なんで殺したんだ?」といったクレームが寄せられたという―― 【写真】「注意喚起になってない」物議となった“かわいすぎる”熊のポスター
スーパーに現れたツキノワグマを殺処分
ことの発端は、11月30日の朝方、「スーパーいとく土崎みなと店」にツキノワグマが現れた。その際、開店準備中だった男性従業員(47)を襲い、顔や頭にケガを負わせたという。その後、バックヤード付近に隠れ居座ったため、市と猟友会が近くに箱わなを仕掛けた。2日経った12月2日に、ようやく熊がわなにかかり、市や県が警察官の立ち合いで殺処分した。 「まず獣医師が吹き矢で熊に麻酔をかけ眠らせたのち、電極付きのさすまたによって電気ショックで殺処分、焼却したそうです。場所が市街地のため銃は使えず、わなを仕掛けるしかなかったようです。麻酔を使っているため、食用などにはできず焼却処分する結果になったといいます」(地方誌取材記者) 殺処分の件がニュースになると安堵の声が多数寄せられるなか、県の窓口には「殺すのは非道だ」「熊にも命がある」といったクレームが集まった。なかには猟友会の人達の連絡先を調べて嫌がらせをする人もいた。クレームの多くは“県外の都市部”からかかってきたもので、県内からは激励のメッセージが寄せられたという。 SNSでも、一部から 《お腹すかせただけなのに、熊が可哀想。食糧難に陥らせたのは人間じゃない?》 《どこかの動物園の熊舎に空きはないの?殺すしか方法はないのかな…》 《山に食べ物がないから来てるだけじゃん。熊こそ被害を受けてる》 といった県の判断を疑問視する声がちらほら。
人命優先の声も
それに対し、人命優先と考える人たちから 《高みの見物で、動物愛護のきれいごとを並べやがって。思うのは勝手だけど業務妨害はすんなよ》 《言葉の通じない野生動物との共存は難しいよ。北海道や秋田などの暮らしなんて知りもしないで無責任だろ。実際に熊に襲われた人の顔を見ても言える?》 《県だって、したくてしているわけじゃないんだよ。なら飼ってあげてはいかが?と言いたい。県外からの電話なんて、ガチャ切りしてしまえ》 《熊にも命がある、なら人間にも命があるだろう。むやみに殺してるわけじゃない、人間のテリトリーに入ってきた熊だから。自己防衛は必要なことだよ》 など、熱い議論が繰り広げられている。 過去にも、熊を殺処分したことがニュースになるたびに、一部の人から心ない誹謗中傷を受けてきた秋田県。 「2023年にも、秋田県には『お前も死んでしまえ』『能力のないやつがなぜ県で働いているんだ』などの暴言を伴う完全なる“カスハラ(カスタマーハラスメント)”と言える電話が執拗にかかってきていました。なかには一方的に話し続けたり、同じ人から何度もかかってくることも少なくないのだとか。 熊は一度でも食べ物が豊富にある場所だと分かると、スーパーやコンビニなどに戻ってくる恐れがあり、殺処分は住民に危害を加えることを防ぐための最善の策だということを理解してほしいですね」(同前) 熊被害に遭ったスーパーは、商品の入れ替えや徹底した消毒清掃を行ったうえで7日から営業再開すると発表。熊による被害を真っ先に受けるのは、当事者である近隣住民たちである。人命を第一に考えて、“外野”は静観したい――