立憲代表選4候補が討論会ー神奈川(全文2)国民年金に上乗せする新年金が必要ではないか
社会改革とジェンダーの問題をどう解決するか
小川:はい。私は社会の持続可能性の回復に大きな関心を持ってます。そこで西村さんにお聞きしたいと思ってます。社会の持続可能性の回復の重要な要素の1つにジェンダーの問題があると思っているんです。 今日、ある街頭の場で障害をお持ちの方が悲痛なお声を上げられたのも受け止めたんですが、障害のあるなしに関わらず、今、女性の皆さまがいろんな形で壁を感じたり、矛盾や不条理に出合ったり、そしてそれを人生の中でいつの間にか当たり前だと感じさせられたり、また男性の側もそれに非常に鈍感で、無意識で、そして悪気なくそうしてしまってきている社会、これを変えていくことが、今日の社会保障改革、そして社会の改革、このジェンダーの問題がすごく重要だと思っています。 ご質問は、例えばジェンダーギャップ指数が世界120位、それから男女の賃金格差は生涯で40年勤務だと1億円の差、非正規の平均給与が男性500万円に対して女性290万円。そして、最近ですと生理の貧困、それから選択的夫婦別姓に対するある政党の強烈な抵抗感。あらゆることに取り組んで、このジェンダーの問題を人権の問題、差別の問題として深く認識をし、顕在化させ、議論をし、社会の体質改善をしていく必要があるというふうにすごく感じています。 その観点からこの社会保障改革、社会改革とジェンダーの問題を、ぜひ西村さんならではの感性で、あるいは切り口で、どうこれ解決していくか、取り組んでいくか、勉強もしたいのでぜひ教えていただきたいと思います。
税制や社会保障をフェアなものに変えねばならない
西村:ご質問いただいてありがとうございます。ぜひ小川さんにも一緒に考えていただきたいんです。なぜそうなっているのかということを。小川さん、先ほどの冒頭の発言の中でいろいろな社会保障の問題点などもおっしゃいましたけれども、結局、高度経済成長期に女性はやはり固定的役割分業意識、女だから家にいて家事や育児や介護をやるのが当たり前、男の人は外に出てばりばり働くのが当たり前、こういう考え方でいろんな仕組み、それはもう税も、社会保障も、いろんなものが、賃金体系も、いろんなものがそこで出来上がってしまったんですね。 そこの名残を引きずったまま、今、令和の時代になっていきなりジェンダーギャップ指数の話を持ち出されて、120位からもうちょっと上位にいきましょうというのは、やはり私は無理があるというふうに思っています。やはり現状をよく見る、そして分析をする、なぜこうなっているのか。 今、働く人たちの4割は非正規です。女性の非正規がやはり圧倒的に多いです。これまでは家計補助的に主婦の方が、昭和の時代ですね、いわゆる、パートで働くというのがメインでしたけれども、今は男性もそうだし、女性もそうだし、非正規なんだけどメインの働きで、それで生計を立てているという方が大変多いんです。 この新型コロナウイルス感染下で、女性の非正規労働者180万人、もうすごい数です。180万人という方が、シフトが減るなどして実質的に失業したという報道がありました。ひとり親の方が多いんです、やはり、非正規で働いている方。そうしますと、収入がなくなるということは、今、貯蓄のある世帯もすごく少ないですから。20代の世帯で5割の世帯で貯蓄がありません。30代以上でも平均するとやっぱり3割ぐらいの世帯で貯蓄がありません。 収入がなくなると途端に生活困窮に陥ると。まさに男女間の賃金格差の問題とは生き死にの問題だということなんです。その分析をよく一緒に、ぜひやっていただいて、とにかくしがらみ、がんじがらめになっている税制や社会保障、そういったものをまさに全ての人に公平な、フェアなものであるように変えていく、これが私は今、政治に問われていることだと考えています。 司会:ありがとうございます。よろしいですね。それでは続きまして、次は泉候補からご質問をお願い申し上げます。