花形運用者、新興国版「マグニフィセント7」投資で米国株上回る成績
(ブルームバーグ): ロブ・マーシャルリー氏は、新興国株への投資で米国株に匹敵するリターンを上げている数少ないファンド運用者の一人だ。同氏はこれを新興国株の大部分を避けることで実現している。
マーシャルリー氏はクサナ・キャピタルの創業パートナーで最高投資責任者(CIO)。9月末時点で入手可能な最新データによると、同氏の新興国株ファンドのここ12カ月のリターンはプラス37%。S&P500種株価指数および97%の競合ファンドを上回る。
新興国株の指標、MSCI新興市場指数の上位20銘柄のうち、同氏が保有しているのは1銘柄のみだが、それがアウトパフォーマンスに寄与しているという。
同氏はその理由について、新興国市場の大部分の銘柄が、一部の好調な銘柄が生み出すリターンを打ち消す状況にあるからだと説明。 集中投資のポートフォリオを保有する方が望ましいと述べ、米大手ハイテク7社「マグニフィセント・セブン」をモデルに銘柄を選定していると語った。
「新興国市場では、上位5%の株式が純資産の83%を生み出している一方で、95%の銘柄は全体の価値を損なっている」と、ロンドン在勤のマーシャルリー氏はインタビューで指摘。「95%を避け、その5%を見つけることに全力を注ぐ必要がある。その中でも、最高のリスクリワードを提供する上位25、30銘柄のみを特定しようとしている」と述べた。
同氏によると、MSCI新興市場指数の上位20銘柄のうち唯一保有している半導体受託生産の台湾積体電路製造(TSMC)、インドの消費財メーカーのタイタン、ブラジルのデジタル銀行、ヌー・ホールディングス(通称ヌーバンク)といった企業は、優れたガバナンス、市場シェア拡大の強い可能性、高い資本利益率(ROC)といった、一貫した特徴を備えている傾向があるという。
「全ての決定は5年先を見据えて行われる。これによって、次の四半期に何が起こるかを推測しようとしている他の市場参加者に対して、大きく優位に立てる」と同氏は述べた。