日産車のカスタムならまかせろ! オーテックジャパンが手掛けた車5選
スカイラインGT-Rをベースにした異色の2台とは!?
●ステージア オーテックバージョン 260RS
1985年に発売された7代目R31型 スカイラインにはステーションワゴンが設定されていましたが、1989年に登場した8代目で廃止されました。 そこで、日産は新たなミドルサイズ・ステーションワゴン専用車として、1996年に初代「ステージア」を発売。 シャシなどの基本的なコンポーネンツは9代目R33型 スカイラインと共有し、エンジンは全グレードに直列6気筒の「RB型」が搭載されました。 ステージアには元々ターボエンジンを搭載する「RS」というスポーティグレードがラインナップされていましたが、1997年、さらに高性能なコンプリートカー「ステージア オーテックバージョン 260RS」が登場します。 ステージア オーテックバージョン 260RSは「R33型 スカイラインGT-R」のエンジン、ドライブトレイン、ブレーキ、サスペンションなどが移植されたモデルで、まさに「GT-Rワゴン」といえるモデルです。 搭載されたエンジンは280馬力を発揮する2.6リッター直列6気筒ツインターボの「RB26DETT型」で、トランスミッションは5速MTのみ。GT-R譲りの4WDシステム「アテーサE-TS」も組み込まれ、車体剛性もアップされています。 走行性能はスカイラインGT-Rに匹敵しながらも、ステーションワゴンとして使い勝手の良さがあり、オールマイティに使える高性能モデルとなっていました。 なお、ステージア オーテックバージョン 260RSは、期間限定や台数限定などではなく、2001年まで継続して販売され、現存数も比較的多いですが、中古車価格は高騰中です。
●スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー
1993年に9代目スカイラインが発売された2年後の1995年に、4代目となるR33型 スカイラインGT-Rが登場。 エンジンやドライブトレインなど基本的なメカニズムは先代のR32型を踏襲し、ボディのサイズアップや、足回り、ブレーキの改良などがおこなわれました。 そして、1998年にスカイライン誕生40周年を記念するモデル「スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー」を発売。 オーテックジャパンによって開発されたスカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリーは、1969年発売の初代以来となる4ドア版スカイラインGT-Rです。 一見すると4ドアのスカイラインをベースにつくられているようにも見えますが、実際は2ドアGT-Rのシャシをベースに4ドアのボディパネルを組み合わせ、さらにブリスターフェンダーを4ドアで再現するために、リアドアとリアフェンダーは新たにプレス型をつくって製作されました。 280馬力を発揮する2.6リッター直列6気筒ツインターボ「RB26DETT型」エンジンに、5速MTのトランスミッションを含む4WDシステム、サスペンション、ブレーキなどは、2ドアモデルと同じです。 内装も2ドアモデルの意匠と変わりないですが、リアシートは専用のバケットタイプが装着され、4ドアでも乗車定員は4名に設定。 ほかにもスカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリーの特徴として、リアスポイラーを装着せず、フロントスポイラーも小型の専用品とされるなど、派手すぎない大人のためのスーパーセダンに仕上がっています。 なお、スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリーが登場してから10か月ほどでR33型の生産が終了したため、生産台数は約400台と少なく、当時の価格は498万5000円でした。 ※ ※ ※ オーテックジャパンはほかにも数多くのコンプリートカーやカスタマイズカーを製作しており、高性能なモデルだけでなく、リムジン、内装を豪華に仕立てたモデル、外観をドレスアップしたモデルもあります。 現在はカタログモデルとしてシックなカスタマイズカーの「オーテック」シリーズ、クラシカルな「ボレロ」シリーズ、スポーティな「ライダー」シリーズなどを展開し、「GT-R NISMO」や「マーチNISMO」の生産もおこなうなど、日産にとって重要なポジションを担っている会社です。
くるまのニュース編集部