神戸港の防波堤釣りに異変… 長年の「黙認」状態から一転禁止に 憤る渡し船業者 再開への遠い道
密を避けられるレジャー、釣り。 新型コロナウイルスの影響でさらに人気が高まっていて、釣り場には、子どもから大人まで多くの人が集まります。 中でも、渡船(渡し船)で行く防波堤での釣りは、ファンから根強い人気を誇っています。 年間5万人が利用してきた神戸港の渡船 突きつけられたのは昭和48年の条例
【釣り人は…】 「ほとんど毎週(防波堤に)来る。陸地からでも釣れんことはないよ。でもあんまりたくさんは釣れない。防波堤なら釣れる種類も多いし、ブリとかも釣れる」
多くの釣り人でにぎわった神戸港が閑散…なぜ?
今、この防波堤での釣りを巡って、神戸市でトラブルが起きています。 神戸港の沖合に浮かぶ10以上の防波堤には、これまで多くの釣り人が集まってきました。 しかし今、そこに釣り人の姿はありません。
およそ30年もの間、神戸で渡船業を営んできた本木さんに、話を聞きました。 ――Q:今、船は? 【神戸渡船 本木昌征さん】 「使ってないですね、今は全く使ってないです」 今、本木さんたち神戸の渡船業者は、半年近く休業を余儀なくされているといいます。
そのきっかけは、2021年10月に神戸市から届いた一通の文書でした。 <神戸市の通知文書> 「防波堤へ侵入した場合は、拘留または科料に処される」
許可なく釣り人が防波堤に立ち入った場合、渡船業者にも刑事責任を問うというもの。 この突然の対応に怒っているのが、同じく渡船業を営んできた神島さんです。 【松村渡船 神島晃一さん】 「50年近く僕たちが渡船業やってるの知ってた上で突然の通知なんで。正直なところ言葉選ばなければ『どうなの』っていう。こちらも仕事にしてますので」
【本木さん】 「本当だったら今からがお客さん多い時期ですね。週末でいうと100人前後くらいですね」 ――Q:今、収入は? 「収入はゼロですね」
年間5万人ほどが利用し、長年釣り人に愛されてきた神戸港の渡船。 神戸市はなぜ、禁止にしたのでしょうか。 【神戸市 神戸港管理事務所 喜多俊文所長】 「昭和48年に条例が改正になった。それ以来、条例上は立ち入りができない施設になっている」 実は、神戸市の条例では、防波堤への立ち入りは昔から禁止だったというのです。 条例に従ってもらうよう、改めて通知しただけだと説明する神戸市。 しかし、渡船業者には納得できない理由があります。