飛び入学新制度で9人に高卒資格 大学中退で学歴の不利益回避
高校卒業前に大学へ「飛び入学」した学生に高校卒業資格を認める2022年度開始の新制度で、初年度に審査をパスして高卒資格を得たのは9人だったことが、20日までの文部科学省の集計で分かった。進路変更などで大学を中退した場合に最終学歴が「中卒」となる恐れがあった。 退学希望者が続出「幻滅大学」の酷すぎる実態 コロナで浮き彫りになった格差 20年
文科省によると、飛び入学は22年12月時点で10大学が導入。利用するには高校2年修了後に中退して大学入学する必要がある。 新制度では(1)高校で50単位以上の取得(2)大学で16単位以上の取得(3)単位の分野が著しく偏っていない―の基準をクリアすれば高卒資格が得られる。高校・大学の関係者らで構成する審査委員会が判定する。 22年度の資格取得者9人のうち、4人は現役大学生で、5人は既に大学を卒業していた。 飛び入学は1998年度に千葉大が初めて導入した。他大学を含め、22年5月時点の利用者は累計約150人にとどまっている。仮に最終学歴が中学卒業となれば就職で不利になる可能性があり、高校生が利用をためらう要因だった。