バンクシーの作品? 「ネズミの絵」一般公開に長蛇の列
東京都は25日、都庁で「バンクシー作品らしきネズミの絵」の一般公開を始めた。午前11時前に公開されると、大勢の人が絵の前に集まり、スマートフォンなどのカメラで撮影していた。 公開されたのは、正体不明の路上芸術家バンクシーの作品に似たネズミの絵。A4サイズくらいの大きさで、傘を差し、バッグを手にしたネズミ1匹が描かれている。バンクシー本人の作品の可能性があるとして、触れられないようアクリル板に入れた状態で展示されている。 絵が見つかったのは、東京・港区の防潮扉。2018年末、都民から「バンクシーの作品ではないか」と情報提供があり、扉を管理する都は1月、「本物だった場合は保全の必要がある」などとして、絵が描かれている部分の金属板を取り外し、都内の倉庫で保管していた。 都は専門家の意見を聴くなど、絵の真贋の確認を進めており、専門家は「バンクシーの作品である可能性が高い」と見ているが、現時点で本物かどうかはわかっていない。また、インスタグラムでバンクシーのアカウントに問い合わせているが、返事はないという。今回の絵について、都は「公共物への落書きは決して容認できるものではないが、一方でこの絵を見てみたいという声や問い合わせがあることから、公開を決めた」としている。
バンクシーは本名や顔といった素性を明かさずに活動する覆面芸術家で、世界各地の壁や扉などにメッセージ性の強い作品を描くことで知られている。2018年10月にロンドンで行われたオークションでは、自身の作品「風船と少女」が約1億5000万円で落札されたと同時に、絵画をシュレッダーで裁断し、話題となった。 実際に絵を見た60代の女性は「とてもかわいかった。写真を撮ったので孫にも見せたい」と話していた。 絵は都庁第一本庁舎2階で、5月8日まで(午前9時半から午後6時半の間。最終日は午後2時まで)公開されている。