「日本代表戦が地上波で見られない!」 疑問の声相次ぐ「DAZN」が値上げを続ける意外な理由
日本法人の社長がはじめてメディアのインタビューに応じたことで注目を集めたスポーツ専門のストリーミングサービス「DAZN(ダゾーン)」。Jリーグを全試合ライブ中継するなど、サッカーファンを中心に絶大な支持を集める。しかしその一方で、「独占配信」によって地上波で日本代表戦が見られなくなったり、急激な値上げが行われたりと、その事業のやり方に疑問が呈されているのも事実だろう。同社のビジネスの実態を探った。 【写真をみる】こんなの許されるの!? 「レッドブル」に侵食されるサッカークラブたち ***
ワールドカップ最終予選で快調に勝利を重ねている日本代表。毎試合の結果がメディアに大きく取り上げられ、ネットも大盛り上がり。日本が実力をつけるのと比例するかのように、代表戦への注目は高まっているように見える。 しかし、その試合をフルで視聴しているファンが増えているかというと、むしろ逆の現象が起きているのかもしれない。 「『今日は代表戦か』と思っても、最近はDAZNの独占配信ばかりで、地上波で見られないことが多くなりましたよね。仕方ないから課金して視聴しようかと思ったら、4200円もかかる。『そんなに払ってまでは見なくていいか……』と諦めることが多いですね」(都内のサッカーファン) サッカー好きかどうかにかかわらず、同じような経験がある人は多いのではないだろうか。代表戦が毎試合地上波で放送されていたのはもはや過去の話で、今はDAZNが独占配信する試合が増えてきているのだ。 「DAZNも民間企業ですし、高い放映権料を払っているのだから仕方ないことだとは思います。だけど日本代表の試合が気軽に見られないというのは、『何だかなぁ』という思いが拭えません。たまたまテレビで見た代表選手に憧れてサッカーを始めるような子どもは、どんどん減っていってしまうのではないでしょうか」(同)
「値上げラッシュ」だけでなく……
サッカーファンに“モヤモヤ”を抱かせる要素は、これだけではない。2016年のサービス開始時には月額1890円だったサービス料が、22年に3000円、23年に3700円、そして24年には4200円と、短期間で急上昇している。 「代表戦だけでなく、Jリーグなど、どうしても見たい試合がDAZNの独占コンテンツになっているだけに、価格が上がっても容易に退会はできないというのが本音。これをわかっているから値上げが行われるのでしょうけど、なんだか最初にエサを撒かれて、足元を見られている感じがしてしまいます」(別のサッカーファン) こうした値上げラッシュに留まらず、昨今は視聴開始時などにCMも配信されるようになってきた。試合の途中から視聴しようと思ったら、CMのせいで大事な瞬間を逃してしまうなんてこともしばしば。「高いお金を払っているのに……」という会員の本音が聞こえてくるのである。