洗うだけではダメ? 果物と野菜の農薬を取り除く方法
※この記事は、海外のサイト『delish』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 いちごをパックから出して洗わずに食べることは良くないと、ほとんどの人が分かっているだろう。果物や野菜は、栽培時に害虫を防ぐために有害な農薬で覆われている場合が多い。これらの化学物質は、人間が摂取するのにも安全とは言い難い。 そして、野菜や果物を食べる前にザルに入れて洗う人が多いいっぽうで、水でよく洗っても農薬をしっかりと除去できないことが最新の研究で示唆された。 米化学会の学術誌『ナノ・レターズ』に掲載された新しい研究で、専門家らは、実は農薬は「皮の層から果肉の層に浸透する」ため、果物や野菜をシンクで水洗いするだけでは「農薬を完全に除去することはできない」ことを発見したという。
とはいえ、農薬まみれのりんごやオレンジを食べるしかないかというと、そんなことはない。専門家らは、皮の部分は食べないようアドバイスしている。 「この研究では、過度の不安を助長するよりも、よく推奨される洗浄とは対照的に、皮を剥くことでほぼすべての残留農薬を効果的に除去できると推測しています」と、この研究の共著者であるドンドン・イェ教授は話している。 また、食品科学者で『150フード・サイエンス・クエスチョンズ・アンサード』の著者であるブライアン・クオック・ル博士によると、農産物の皮に残った農薬は脂溶性なので、基本的には簡単に除去できないという。 「ほとんどの商品(野菜や果物)の生産者は、野菜や果物を洗浄または水ですすいでから流通や販売を行っています。とはいえ、農薬の大部分を除去する効果的な方法には、皮むき、化学処理のすすぎ、湯通しなどが含まれます」と語るル博士。「農薬量を下げる別の方法は、酢漬けまたは発酵です。微生物や酸が時間をかけて、農薬を無害な分子に分解するのを助けます」