駅近スイーツの穴場。松陰神社前駅で買える小麦粉系スイーツがおいしそう!
お菓子の歴史を語らせたら右に出るものはいない! といっても過言ではない、お菓子の歴史研究家・猫井登先生が、現在のトレンドを追いつつ、そのスイーツについて歴史を教えてくれちゃうという、一度で二度おいしいこの企画。今回は、東急世田谷線沿線のスイーツスポットを紹介します。山下駅・上町駅間のお店を巡った前回に続き今回では、人気店が密集する松陰神社前駅のお店をチェック!
【猫井登のスイーツ探訪】~東急世田谷線沿線のスイーツショップ巡り(松陰神社前駅)~
猫井先生 「さて、後編は松陰神社前駅に下車しまして、駅周辺のお店を集中的に紹介したいと思います。早速、駅の踏切を渡ったところに目的地が見えますよ!」
【1軒め】「ニコラス精養堂」
猫井先生 「こちらは、明治45年(1912年)創業、なんと108年の歴史を誇るお店です。元々は青山で牛乳店、ミルクホールを創業されましたが、1923年の関東大震災で大きな被害を受けられ、こちらに移転されました。1930年には陸軍御用達となり、饅頭やシベリアといったお菓子も納められたんですよ。」
食べログマガジン編集部 「明治、関東大震災、陸軍……。時代を生き抜いて来られたお店なんですね! そういえば「シベリア」ってなんとなくレトロなお菓子っていうイメージがあるのですが、いつ頃からあるんですか?」
猫井先生 「「シベリア」というのは、カステラ生地に羊羹を挟んだお菓子ですね。正確に言うと、カステラ生地の上に液状の羊羹を流して固めるんですが。明治時代後半から大正時代にかけて生まれたお菓子だといわれますが、発祥に関して詳しいことは分かっていません。こちらのニコラス精養堂が発祥のお店のひとつとして挙げられることもありますね。」
食べログマガジン編集部 「シベリアの発祥も諸説あるんですね。」
猫井先生 「時代背景としては、1904年~1905年に日露戦争があったわけですが、戦争の原因がロシアがシベリア鉄道に繋がる東清鉄道を伸ばして東洋に進出してきたことにあったといわれています。このお菓子の名前も、シベリア出兵に由来するという説、カステラ生地をシベリアの氷原に羊羹を氷原を貫くシベリア鉄道の線路に見立てたという説などがありますね。」