イベント制限緩和、Go Toの東京追加... 日常に戻すための「社会実験」が始まる
無駄も省く 効果がないものを買わされている
ーー先ほど「いらない対策」をやめることも考えなければならないと指摘されていましたが、例えばどういうものですか? 例えば、消毒薬や「~水」を噴霧するとか、高価なフィルターがついた空気清浄機を置くとか、新型コロナウイルスの対策として効果が十分に検討されていないものをイベント事業者は買っていることもあるようです。何度か購入の直前に止めたこともありました。 そういう無駄については、ある程度、専門家と言われる人たちに相談して省いていくことも必要です。 医療機関でも使っていないようなものは不要なことが多いです。 一方で、医療機関で使っているから必要というわけではありません。また、あっと驚く製品が出たという時には、「本当かな?」と思うことも大事です。有名な新聞などに載っていたからといって惑わされないようにしてください。 ーー空気清浄機やオゾン発生機などを置いているところをよく見かけるようになりました。タクシーなどでもそうです。 「ここまで対策をやっていますよ」とお客さんに見せるポーズもあるのでしょうね。でも効果が否定されたそういうものを一つ一つ削っていく時期でもあります。
Go Toは人に移動を促すが... 3月までは近隣で
ーーGo Toの東京への拡大についてもお聞きします。先ほど、イベントでは都道府県をまたがないようにという話でしたが、Go Toはむしろ都道府県をまたぐことを促すと思います。 Go Toは都道府県をまたぐ旅行だけを対象としているわけではないようです。都道府県内でも使えます。 ーーまあでも都民は「都内だけで旅行」とは受け取らないと思いますよ。 飛行機に乗る距離の旅行だと、万が一、旅先で体調が悪くなった時にしばらく帰れなくなることも考えられます。数は少ないですが、実際に、首都圏から遠隔地に行って、現地で発症してしばらく入院になった事例はあります。 来年の3月ぐらいまでは、県をまたぐとしてもすぐに帰って来られる距離にするのがよいと思います。地元再発見、近隣県の魅力再発見の旅をお勧めします。 やはり一冬を越えないと、まだわからないことがあります。冬も経験して、このウイルスの対策の全貌がある程度見えてくるのです。この半年色々学んだと言っても、まだ冬の状況はわからない。 今年の3月までは近隣で楽しむというリスク管理の方がいいと思います。