神戸に在日コリアン資料館 「共生の道しるべに」
朝鮮半島にルーツを持つ人が多く住む神戸市長田区に14日、「神戸在日コリアンくらしとことばのミュージアム」がオープンした。継承してきた文化や暮らしぶりを伝える写真などを展示し、運営する在日2世の金シニョンさん(71)は「在日コリアンの経験を知ることで、共生への道しるべになってほしい」と話す。 金さんによると、約100年前に多くの在日コリアンの人々が長田区に定住するようになり、神戸港の整備やケミカルシューズ産業などに従事してきた。これまでの道のりには困難もあり、子どもたちがいじめや差別を受け、学校から泣いて帰ってくることも。1995年の阪神大震災では実名を隠して避難する人もいた。 その歴史を知る金さんは2005年に「神戸コリア教育文化センター」を立ち上げ、暮らしや教育の改善に向け情報を発信してきた。世代交代が進む中、祖先の故郷や歩みを知る場になればとミュージアムを設立した。 教育文化センターを改装し、民族衣装で踊る女性や結婚式の光景を撮影した写真や年表パネルなどを展示している。