人工筋肉で腰の負担軽減 アシストスーツ普及で協定
和歌山県田辺市湊の米穀・炊飯販売会社「たがみ」と、作業時の腰の負担を低減するアシストスーツを製造・販売する東京都の企業「イノフィス」、白浜町の南紀白浜エアポートが12日、包括連携協定を結んだ。イノフィスの製品を、紀南のさまざまな作業現場で使ってもらいたいという。 イノフィスの製品「マッスルスーツ」は、リュックサックのように背負って使う。背中部分にある人工筋肉の元に戻ろうとする力で腰の負担を少なくする。重い物が軽くなる訳ではないが、前かがみの姿勢から上半身を起こす時が楽になる。空気圧で調整するため、電池や充電が不要。 介護や製造、物流などの業界へ、これまでに約1万6千台を販売している。1次産業にも広げたいという。 1月から試験的に農作業や米の搬送時に製品を使っている「たがみ」の田上雅人専務は「着用すると、腰の負担が全然違う。これからも使っていきたいし、人にも薦めたい」と話している。 エアポート社は販路の開拓に協力する。運営する南紀白浜空港では、地上スタッフが旅客機の荷物を扱う際に使い始めたという。 イノフィスの折原大吾社長は「紀南のいろんな所で当たり前のように使ってもらい、生産性の向上や活性化につなげたい」と話している。
紀伊民報