再び人を殺す可能性「あると思います」…自作の刃物で二十歳の頃からの殺人願望を実行、初対面の女性を殺害…精神鑑定で『性的サディズム』による障害と診断
判決を前に記者に語った『マスコミは野次馬』
判決まであと2日となった11月18日。石川テレビは中村被告が勾留されている金沢刑務所へと向かった。 午前9時15分ごろ、黒のジャケットにYシャツを着て現れた中村被告。本来であれば本読みや、入浴をしている時間だという。 記者が判決を待つ今の気持ちを尋ねると、中村被告は、「率直に言って明日という日を与えられたことに戸惑っている」なぜ戸惑っているのかとさらに問うと、「人の命を奪っている以上、死刑でもやむを得ない。求刑が無期懲役、死刑というものであっても仕方ないのに、そこに30年の有期刑がきて戸惑っている」と答えた。 さらに「犯した罪は終わらないけど、罰に終わりがある。それでも失われた命は戻らないわけで、戸惑っている」と言うのだ。冷静に、落ち着いた口調で答えた中村被告だったが、有期懲役の求刑を受け「弁護士とは何か話したのか?」と問いかけると、態度が一変した。「それは言う必要がない。そもそもマスコミは野次馬ですから、誤解をしないように。俺は今我慢しているので。なぜ勝手に書かれたり報道されないといけないのかと我慢している。なぜなら、被害者に対して失礼だからです。俺にも家族がいる。俺には俺の思いがあるし、ズカズカと土足で入られるのは気分が悪い。裁判でも最前列に座ってなんなんだと思っている」 記者が、人を殺めれば、結果的に報道されることになると思っていなかったのか?と問うと、「私がそんなことを考えることはない。マスコミが勝手に集まってきているだけ。俺は前科がたくさんあって、覚醒剤もある。注目度かなんか知らないけど、なぜこういう事件になったら騒ぎ出すのかなと」これに対し「人の命が奪われているからです。」と述べると中村被告は、「犯罪は犯罪で同じだから。ガチャガチャやられるのは迷惑なんです。でも結審するまではやっぱり法廷で被害者に誠実にしたいと思って、こういうことを言うのは差し控えていた。こっちにはこっちの事情がある。くだらない。覚せい剤をやった時、ICカードを盗んだ時にもこうやって聞きにくればよかったじゃない。そのときは全然スルーだよ。事件を選んでいるんです。こういう事件を起こすと集まってくることに矛盾を感じて腹が立つ。そこを理解して話をしてほしい」と答えた。 記者が、覚醒剤と殺人では関心が違います。それは世間一般の人も同じだと思うが?と指摘すると中村被告は、「関心を持たれても、他人だから。あなたが遺族なら、私の家族や上司なら事件に関心があって、ふざけんな、どうして?と聞きに来るのは分かる。でもあなた個人として関係ないでしょ。あなたの家族がお亡くなりになったの?違うよね、勘違いしないでね」強い口調で、「マスコミの姿勢が腹立たしい」と語っていた。 裁判で「また人を殺してしまう可能性がある」と話したことについて、今の心境を尋ねると「被害者を殺めた後の自分の行動や精神状態から持続しているもの、変化したものがあって難しい。人間は変わっていくものだし、今はこうですと断言できない。ないと言えばないし、あると言えばあるというフワッとしたことしか言えない。一日一日一生懸命にやらなきゃという気持ちはある」と述べ、明日を一生懸命に生きていくことで罪の重さを実感することができると語っていた。 最後に「もしも事件当日に戻れたらどうするか?」と問いかけた。 中村被告: 家に帰って寝てますよ。