再び人を殺す可能性「あると思います」…自作の刃物で二十歳の頃からの殺人願望を実行、初対面の女性を殺害…精神鑑定で『性的サディズム』による障害と診断
遺族への手紙について『意味ねぇもん書いた』
被害者と遺族がかわいそうだと話した。その思いを遺族に対してしたためたであろう手紙。 中村被告が被害者遺族へ宛てた手紙(2024年5月12日): 今更このような手紙を書いて良いのだろうか、ご遺族に不愉快な思いをさせるのじゃないかと思いながら書いています。手紙を書くのが遅くなったことをお詫びします。もっと早く書くべきだったと思います。申し訳ありません。 私がやったことに弁解の余地などなく、冷酷で残酷なことをしました。Aさん(被害者)に全く落ち度はありません。申し訳ありません。Aさんの今後の可能性をゼロにした罪と責任は重大で、どのような罰も受けるつもりで、正直に話すつもりです。亡くなった命は戻ってきません。しかし、だからといって知らん顔をしているのは間違っていると思い、手紙を書くことにしました。 ご遺族の私に対する怒りや苦しみ、娘さんを失った悲しみ、悔しさは大きいと思います。Aさんの苦痛や無念は想像を絶するもので、私が死刑になっても納得できることはないと思います。どんな言葉を持ってしてもお詫びのしようもありません。本当に申し訳ありませんでした。 手紙を書いたのは2024年5月12日、この手紙を弁護人に渡してきたのは9月だったという。なぜ4カ月、時間が空いたのか。これについて法廷で中村被告は、「書いた手紙を読み返して絶望したというか、意味ねぇもん書いたなという思いが強かった。意味のないものを表に出すつもりがなかった」と答えた。ではなぜ手紙を出そうと思ったのか。中村被告は、前回の弁護人に書いたのなら出した方がいいと言われたからだと答えていた。 手紙の写しを手にした遺族。代理人を通してその心境を語った。 遺族の代理人: 今回の問題は被告人の罪を軽くすることです。被告人は自分で謝罪文を書いていて、存外内容もしっかり書けているが、本人が言っているように被害者には何の意味もありません。被害者のお母様もその写しを手にされたが、なぜこんな事件を起こしたのかという疑問が堂々巡りしています。 前回の出所後、社会復帰をしようとしたというがそれは刑の軽減にはならない。被告は若い時から抱いていた殺人衝動を、幻聴などによるものでなく、自分の意思でその妄想を実現した。 自暴自棄になったという動機は誰にでもあることです。今回の裁判では被害者の写真は一切出てこず、棒人間にされ、血痕の写真も白黒に加工されていました。これで本当に事件の残虐さが伝わったのでしょうか。被害者は普通の女の子でした。中村被告とは口論にすらなっていません。密室が都合良いという理由でたまたま選ばれただけです。 被害者のお母様は娘が元気でいること、娘と会えることを楽しみにしていました。謝罪なんていらないから娘を返してほしいと言っています。被害者の将来を根こそぎ奪った罪の重さは量刑でしか示すことができません。次の被害者を出さないためにも、無期懲役をお願いします。 罪の重さを表す量刑。その罪の償い方を問われた中村被告は「どうなんでしょう、結果の重大性を考えると死刑もやむなしと考えています。命をもって償うというより死刑になっても仕方ないと。でも、死刑を望んでいるわけではないです」と答えていた。