ネットは”称賛嵐”も…11点差TG戦でブルペン温存のため野手の増田大輝を投手起用…仰天の原采配はアリかナシか
またメジャーでも、近年、ブルペン温存による野手登板機会が急増し、ファンの間で議論が起き批判の声が続出したため、機構側は昨年オフにルールを改定。「野手の登板は延長戦または6点差以上の試合に限る」との制限をつけて今季から導入予定だった。新型コロナウイルスの影響で、登録メンバーを増やすなどイレギュラーなルールが採用されたため、導入は先送りされたが、そういう流れの中で、原監督がメジャー式の野手登板を伝統のTG戦で実行したのだから、ネット上で「アリ」「ナシ」の議論が巻き起こるのも無理はなかった。 “ヤフコメ“にも大量の意見が寄せられたが、決して賛否両論ではなく、意外にも、そのほとんどが原采配を支持するものだった。 「過密日程だしアリなんじゃないの」「メジャー式の采配」「驚いたけどナイス采配」「賛否両論はあるだろうが、この采配を支持する。増田が良く投げた」「見どころのない完敗ゲームを楽しませてもらえて良かった」…中には、「『相手に失礼』とか『最後まで何が起こるか分からないのに勝負を投げた』とか言う人もいるでしょうが、中継ぎ投手の肩を休ませるのも長いシーズンを戦う戦略の一つ」と要点をまとめた意見も。 戦略としてのブルペン陣の温存だけでなく、エンターテインメントとしてファンを楽しませた起用を評価する声もあった。 ただ「阪神ファンとして後味が悪い」「作戦としてはアリだが、この手をとらざるを得ない試合運びを(巨人は)大いに恥じるべき」「金を払って観にいくものだとはどうしても思えない」などの批判もあった。 巨人、楽天、西武などでヘッド、戦略、作戦コーチを務めたことのある野球評論家で、新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ強化アドバイザー兼総合コーチの橋上秀樹氏は、こんな意見を持つ。 「原さんでないとできない、原さんだからこそできた作戦でしょう。メジャーでは当たり前ですが、日本では批判されることが先に立ち、なかなかこうは踏み切れません。報道を見ると、宮本投手コーチが増田、岸田ら、こういうケースに登板可能な投手経験のある野手をリサーチしていたようなので、その周到なリスク管理に驚かされます。今年の連戦が続く過密日程を考えると、戦略的に大敗ゲームで中継ぎを休ませることの意義は大きいですよ。残っていた中川、大竹、鍵谷、大江らは、勝ちゲームや接戦で必ず使うピッチャー。できれば、こういう展開の中で使いたくない。最後まで堀岡に投げさせるべきだ、いや、ここまで炎上した投手の続投は逆にファンに失礼だ、野手を使い試合をあきらめた姿勢を見せるべきではない、などの賛否は出てくるでしょうが、1戦必勝の高校野球と違って、プロ野球は、明日があり、シーズントータルで勝負を競うスポーツです。いわゆる戦力を使わずに負ける、捨てゲームを戦略的に作ることが重要になります。こういう疲労の蓄積の回避が最後には効いてきますよ。私は、これを契機に特に投手力に不安のあるチームなど、他にも真似をするチームが出てくるのではないかと思っています」