「保護者世代や今までと全然違うの!?」新課程入試のモヤモヤに答える
5月は多くの高校で、PTA総会や保護者会が行われます。 高校1年生は「新課程」の初年度の学年で、大学入試も変わる、という話を聞かれたかたもいるでしょう。 何かが変わるそうだけれども、どう変わるのかよくわからない、というモヤモヤ状態のかたも多いと思います。 「新課程入試」は今までの、あるいは保護者世代の入試とどう違うのか、保護者にできることは何か、一緒に考えていきましょう。 ※「新課程」についてはこちらを参照 <新高1~高校新課程~>教科書が変わった! 学び方も変わった! https://benesse.jp/kyouiku/202204/20220416-1.html
変わらないこと
大学入試では、基本的に高校で学習したことが問われます。 高校のカリキュラムや授業に沿って努力を続けていくことが良い結果につながる、という構造は昔も今も変わりません。 まずは学校の勉強を第一に考える、ということを保護者も生徒本人も鉄則にしてください。 特に、今回のような「制度の変わり目」の時にはさまざまな情報が飛び交いますが、この鉄則は変わりません。 また、強い志望の気持ちをもつことが合格につながるということも変わりません。 「これをやりたい」と思うきっかけはさまざまなところに転がっています。 コロナ禍で行動しにくい時だからこそ、机にへばりついて勉強する姿を理想とせず、特に1、2年生のうちは意識して幅広い体験を積み、さまざまな見聞を広げるような高校生像を描いてください。 やりたいことを見つけることで早期に志望を描くことができ、勉強のモチベーションにもつながっていきます。
既に変わりはじめていること
高校教育も、大学入試も、新課程でガラリと一気に変わるのではなく、時代の変化に合わせる形で、既に変化は始まっています。 その変化が「新課程入試で加速する」と考えましょう。では、どのような変化が始まっているのでしょうか。 【「探究」と大学入試】 大学では、ゼミ活動や卒業論文など、学生自身が課題を設定して研究を行います。 そのなかでは、知っている知識を総動員し、また必要な知識やデータを調査、獲得して考察し、レポートや論文にまとめます。 保護者世代のかたにとっては、このような学び方は大学独自のもののように感じられるかもしれません。 しかし、実は高校でも同様のプロセスで学ぶ「探究」的な学習が新課程以前から広がっており、新課程においてはすべての高校生が「探究」的な学習を行うことになっています。 知識を定着させる教育から、課題を解決するための教育への転換が図られており、学ぶ力や考える力を育むことが重視されています。 ※「探究」についてはこちらを参照 これからの学びのカギ「探究」とは? https://benesse.jp/kyouiku/202004/20200407-1.html そういった高校での学びの変化とともに、大学入試では、「探究」を通じて学んだことを問う「総合型選抜(旧AO入試)」などが、既に増えてきています。 ※詳しくはこちらを参照 「楽な入試?」総合型・学校推薦型選抜のススメ https://benesse.jp/juken/202111/20211130-1.html もちろん、従来の教科学力を問う、試験当日一発勝負の結果で決まる「一般選抜」がなくなるわけではありませんが、「総合型選抜」の増加はさらに加速すると予想されます。 大学入試で問われるのは「高校で何を学び、何ができるようになったか」であり、そのなかでも「探究」に関しては大学入学後に研究を進めていく力に直結していますので、大学としても注目しています。