参加できるのはたった1人 世界で話題の“コロナ時代の映画祭”のストイックすぎる開催内容
一向に終息の気配のない新型コロナウイルス感染拡大は、国際的な映画祭にも大きな影響を与えた。 カンヌ国際映画祭、釜山国際映画祭などもオンラインでの上映という形を取らざるを得ず、新しい手法を模索し続けている。今後もしばらく映画祭はオンライン開催という形になるだろうが、今月末から来月初めにかけて開催されるヨーテボリ国際映画祭が興味深い試みを実施する。 「The Isolated Cinema」という新たな試みは、その名の通り隔離された環境下で映画を楽しむというもの。彼らが用意した環境は、スウェーデン沖の離れ小島にあるパター・ノスター灯台。リゾート地として知られるマーストランドからボートかヘリコプターでしか行けないこの島には、1868年から1977年まで安全な航海に貢献していた灯台と、当時管理人が生活していた家屋がある。近年、灯台を生かしたホテルに生まれ変わり、知る人ぞ知るスポットになった。 「The Isolated Cinema」を体験できるのはたったの一人のみで、1月30日から2月6日まで灯台管理人が生活していた家屋に滞在し、映画祭にノミネートされた60作品を見続ける生活を送る。この企画を考案したヨーテボリ国際映画祭のアーティスティックディレクター、ヨナス・ホームバーグは、ポッドキャスト番組「As It Happens」に出演し、企画の主旨などについて次のように述べた。 「完全に隔離された環境で、参加者のみ入島が許されます。携帯電話も使用できませんし、本の持ち込みも許されません。たった一人で生活し、海、波、空を眺め、映画祭で上映される60作品を観ることになります」 気になるのは住環境だが、滞在する元管理人滞在所には寝室、台所、映画鑑賞用の部屋があり、ホームバーグによれば快適に過ごせるように手配されているという。 「柔らかなベッド、暖かい部屋、それに美味しい食事も提供されます。もちろんポップコーン付きです!」