宮内庁、2.5億円補正予算 老朽化した墓地整備など経済対策で要求
宮内庁は、新たな経済対策の裏付けとなる今年度補正予算案の中で、歴代の天皇の陵墓など皇室関連施設の防災整備費として約2億5400万円を計上した。補正予算案全体では一般会計の総額で約13兆9千億円に上り、29日に閣議決定された。 同庁によると、皇室関連施設が老朽化しており、地震や台風などで近隣に被害を及ぼす恐れがあるため、「防災整備費」として要求した。古賀浩史皇室経済主管は経済対策の枠組みで要求した理由について「補正予算を要求した例はあまりなかったが、工事費が高騰してきている一方で、当初予算は前年同額ぐらいに抑えられてしまうのが実態で、だんだん苦しくなってきている」と説明した。他にも補修などが必要な施設が複数あるといい、古賀氏は「防災対策で補正予算が組まれるチャンスがあれば今後は要求をしていきたい」と述べた。 整備を行うのは東京都文京区の豊島岡墓地のほか、京都府内の天皇陵など。亀裂が入った京都市西京区の桂離宮の南側の塀(長さ70メートル、高さ約2メートル)の整備に7300万円、設置から30年近く経った豊島岡墓地の変圧設備の改修に8800万円かけるという。(河崎優子)
朝日新聞社