“原料のほとんどが北米産”のカニカマ…中国輸出できず 輸出額の約7割を中国が占める水産加工メーカーで
福島第一原発の処理水放出により、中国が日本の水産物の輸入を全面的に停止したことで、輸出額の7割を中国が占めている石川県内の水産加工メーカーでも影響が広がっています。 【写真を見る】“原料のほとんどが北米産”のカニカマ…中国輸出できず 輸出額の約7割を中国が占める水産加工メーカーで スギヨ・管理本部 臼池忠幸本部長 「これはもう困ったなあと」 東京電力・福島第一原発の処理水の放出をめぐり、中国は日本の水産物の輸入を先月24日から全面禁止としました。この影響を大きく受けたのが七尾市に本社を置く水産加工メーカー「スギヨ」です。 スギヨ・管理本部 臼池忠幸本部長 「これは中国向けのカニカマです。9月にはもう出荷ということになっていました。いつまでここにある予定かは、ちょっとまだわかりません。今情報を収集しているところです」 カニカマを中心に中国への輸出が完全にストップ。七尾本社の冷凍倉庫には、すでに出荷されていたはずのカニカマがありました。 さらにこれを含め中国向けに製造した約1万ケースの商品が、各地の倉庫に保管されています。カニカマの原料は白身魚のスケトウダラのすり身。そしてそれらのほとんどが北米産でありなら、輸出が出来なくなってしまったといいます。 スギヨ・管理本部 臼池忠幸本部長 「船の上に乗っているものもありましたけれど、そういったものもお客様からどうしても受け入れることが難しいとありましたので、日本に戻すことに」 中国でカニカマは火鍋や回転すしでよく利用される人気の食材で、スギヨの輸出額のうちおよそ7割を占めていました。 スギヨでは外国向けのパッケージで、輸出先の食品ルールに合う原料で国民の好みに合わせた商品を製造しています。 スギヨ・管理本部 臼池忠幸本部長 「国ごとによって食品のルールが違っていますので、それを精査してあっていた場合にはそれを転用することもあります。しかしただいまの状況では、どうなるかということは判断できませんので…」 現時点では行き場を失ってしまった中国への輸出用のカニカマ。今後の対応は…? スギヨ・管理本部 臼池忠幸本部長 「1万ケースの商品は賞味期限が長いから状況によって変わってくるということで、中国の状況を見ながら中国以外の国内や東南アジア向け、そういったものに力を入れていきたいなと思っています」
北陸放送