佐賀市の繁華街にある暴力団事務所の所有権を取得した団体が、立ち退きに応じない暴力団側に建物などの明け渡しを求めた裁判の初公判が開かれましたが、暴力団側は法廷に現れず団体側の訴えは認められる見通しとなりました。 訴状などによりますと県暴力追放運動センターは今年6月、佐賀市呉服元町にある道仁会系暴力団事務所の土地や建物の所有権を取得しましたが、暴力団側が立ち退きに応じないとして土地と建物の明け渡しなどを求め提訴していたものです。 13日佐賀地裁で開かれた初公判に被告の暴力団側の関係者は現れず、書面による主張もなかったため、原告側の訴えの内容について争われることなくそのまま結審しました。 原告側の弁護団によりますと、訴えの内容を被告側は確認していないということですが、裁判は訴状の受け取りを被告側が“拒否”しているとして進められました。 被告側が争わなかったことから、来年1月10日の判決公判では原告側の訴えが認められるとみられています。 原告側は「法的手続きは順調に進んでいる」と話していて、立ち退き後は、交番にする案も出ています。 県内では過去暴力団事務所の土地建物を、自治体が競売で落札するなどした事例もありますが、「暴追センター」が取得するのは初めてだということです。