賀川浩さん死去、99歳、W杯10大会取材のサッカージャーナリスト、元大阪サンスポ編集局長
賀川氏はサンスポを退社後、本格的にサッカージャーナリストとして活動した。フリー転身後は、専門誌に世界の国々の風情を絡ませた紀行記風の連載を長期に渡って続けた。ヨハン・クライフ(オランダ)ら有名選手へのインタビューにも成功し、サッカーライターとして活動の幅を広げていった。
W杯は2014年ブラジル大会まで計10大会を取材した。この功績が評価され、15年に日本人として初めてFIFA(国際サッカー連盟)会長賞を受賞した。15年1月にはスイス・チューリッヒでのFIFAバロンドール授賞式に招かれ、C・ロナウド(ポルトガル)、イニエスタ(スペイン)らとともに壇上に上がった。
90歳を超えても執筆活動を続け、2018年ロシアW杯ではアジア予選から観戦記を古巣サンスポに寄稿。また19年3月にはノエビアスタジアムに足を運び、日本-ボリビアを取材した。94歳の日本代表取材は、最年長記録と現場で話題になり、試合後、森保一監督から花束を贈られた。98歳まで雑誌にコラムを寄稿し、現役最年長のサッカージャーナリストと呼ばれていた。
少年育成も手がけ、日本初のサッカースクールとなる神戸少年サッカースクール、神戸フットボールクラブ(FC)の創設にかかわった。
100歳を迎える12月29日には神戸FCの関係者らによる誕生日会が予定されていたが、百寿を待たずに旅立った。