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ジャンプの看板作品が次々に終了。巻き起こる『HUNTER×HUNTER』待望論

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週刊SPA!

『鬼滅の刃』『約束のネバーランド』が4年間の連載に幕

 『鬼滅の刃』、『約束のネバーランド』など、少年ジャンプの人気タイトルが今年度に入って立て続けに最終回を迎えた。2019年度の年間コミックス売り上げで『鬼滅の刃』が『ワンピース』抜き、今後のジャンプを引っ張る看板作品になるのだろうと、『鬼滅』を読んでない筆者までもがそう思ったが、4年間という短い時間で終わったことに驚く人は少なくなかった。  そんななか、ネット上で沸き起こったのが冨樫義博先生が描く『HUNTER×HUNTER』待望論だ。週刊少年ジャンプで1998年に連載を開始してから、今年で22年。非常に休載が多い本作は、『ベルセルク』や『ガラスの仮面』と同様に、連載が再開する度にSNSが一時お祭り騒ぎとなることでも知られている。そう、どんなに待たされようが、読者は決して『HUNTER×HUNTER』を忘れない。  仮に聖書が連載形式で、度重なる休載があろうとも、まさか読むのを止めてしまうという信者はいないだろう。『HUNTER×HUNTER』ファン代表とも言える漫画家の横槍メンゴ先生のツイートを引用するなら、ふと気が付けば我々は『HUNTER×HUNTERって漫画の最新話が読みたく』なってしまうものなのだ。  ジャンプの看板作品が最終回ラッシュを迎えてしまった今年こそ連載が再開されることを祈りつつ、休載されるたびにコミックスを初めから読み直してしまう筋金入りのファンたちに、本作の魅力を改めて語ってもらった。

伏線回収。リアル指向。緻密なストーリーに舌を巻く

『HUNTER×HUNTER』の熱心な読者が皆口を揃えていうのは、そのキャラクターの魅力もさることながら、ストーリー構成の上手さだろう。本作を連載当初からリアルタイムで愛読している増田真也さん(35歳 男性)はその魅力をこう語る。 「『HUNTER×HUNTER』は伏線を回収するのが抜群にうまいんです。伏線の撒き方やその回収の鮮やかさといったら……。それが最も如実に現れているのは、やはり『キメラアント編』。登場人物カイトのくだりや、ネテロ会長VS蟻の王メルエムのバトルシーンなど、コミックスで読み返してみるとしっかりと伏線が張られています。また、物語だけではなくコミックスの扉絵でも伏線やその回収を暗示的にしていることもあるので、連載を追うだけではなく、わざわざコミックスを集める楽しみもあるんです。  今は『王位継承編』が連載されているのですぐには回収されないかもしれませんが、『ジャイロ』の登場やゴンの母親など、ストーリーに大きく絡んでくるはずの未回収の伏線もまだまだ沢山ありますから目が離せません。一刻も早く連載を再開してほしいです」  増田さんに熱く語ってもらったように、伏線の回収やストーリー進行に冨樫先生が異常なまでのこだわりを持っているのは間違いない。たとえば、現在ジャンプ本誌で連載中の『王位継承編』は、非常に多種多様な登場人物が入り乱れ複雑な構成になっているが、実はそのプロットは時系列でまとめられ、登場人物ごとに細かくスケジューリングされた資料を元に練られたものである。  そして、こうした冨樫先生のこだわりは当然そのストーリー構成だけでなく、ストーリーの世界観そのものにも色濃く反映されている。その魅力について、ファン歴10年の松尾晃さん(26歳 男性)は以下のように説明してくれた。 「少年誌的な単純な勧善懲悪ではない、大人も楽しめる現実世界に当てはまるストーリーが『HUNTER×HUNTER』の魅力の一つでもあります。具体的には、現実の政治経済や社会問題が世界観を壊さず上手く取り入れられています。特に『キメラアント編』以降はその傾向が顕著で、『キメラアント編』の舞台となる国である『東ゴルトー共和国』は、ファンの考察で北朝鮮をモデルとしているのではないかと言われています。また、主人公たちの所属する組織であるハンター協会も現実の企業や組織と同様、国がらみの政治的な思惑と決して無関係ではいられません。どんなに超人的なパワーを持つ人間でも国の権力者相手には我を押し通すわけにはいかず、政治的なしがらみや制約がついて回ります。  結局、超人的なパワーを持つといっても、あくまで生身の人間が鍛錬のすえに築いた強さなので、ファンタジー強めの世界観でありながら現実世界と変わらず、銃や爆弾が強力な兵器として扱われているのは面白いですよね。まあ、漫画なのでそういった世界観にわざわざする必要もないのではないかという声もありますけど、私は物語により入り込みたいと思うタイプなので楽しんで読ましてもらっています」

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