離婚後の我が子との面会交流、取り決めは「月1回」だが…運動会や参観日もカウントされる?【弁護士の回答】
離婚後の面会交流(親子交流)。子どもの行事への参加をめぐってトラブルになるケースが多々あります。本記事では、Authense法律事務所で女性向け法律相談を担う弁護士白谷英恵氏が、学校行事と面会交流の関係について解説します。 都道府県「離婚率」ランキング
学校行事は面会交流とは別
離婚後の子どもと別居親との面会交流を定めるとき、通常は「月に1回」などの約束をします。すると相手が運動会などの行事に参加する月には、その1回を消費したことになって定期的な面会はしないのでしょうか? この点について、通常は「学校行事は定期的な面会とは別」と考えられています。面会交流は子どもと親が話をしたり食事をしたりして交流をするための機会です。しかし、運動会などに参加しても通常は子どもの姿を遠くから見守るだけで、親子の実質的な交流はできないからです。 そこで、相手が子どもの運動会に参加するとしても、別に面会の日時を設定していつもどおりの面会をさせるのが基本の対応です。 話し合いによって定期的な面会に含めることも可能 ただ子どもが忙しかったり相手にも都合があったりして、運動会とは別の日に面会することが難しいケースもあるでしょう。 そのようなときには、相手と話し合いをして「運動会への参加を定期的な面会に代える」ことも可能です。相手が納得しているなら、別途面会の日にちを設定する必要はありません。 子どもの習い事の発表や部活の試合など 同じように、子どもの習い事(ピアノやバレエなど)の発表会や、部活、参加しているスポーツチームの試合などに相手が観覧、観戦に来るケースがあります。 このような場合にも、単に見て帰るだけであれば子どもとの実質的な交流はできないので、定期的な面会交流に含めずに考えるべきです。ただし親同士の話し合いによってこちらも定期的な面会に代えることが可能です。
学校行事に参加する権利
ときどき問題になるのは、親権者となった親が別居親に「運動会に来ないでほしい」「離婚した親が来ると子どもの立場が悪くなるから迷惑」などと、学校行事への参加を断るケースです。このような言われ方をすると、別居親も納得できない思いを抱えますし、頑なに「出席したい」と言い出してトラブルになりやすいです。 別居親であっても親であることに変わりはなく、行事を観戦することは可能です。同居親が「絶対に来てはいけない」と言っていたとしても、別居親が当日学校に来たなら強制的に追い出すわけにはいきません。 その場でトラブルになって困るのは子どもなので、「静かに観戦する」「終わったらすぐに帰る」と約束するなど、事前に冷静に話し合いましょう。 ただし、相手が学校で非常識な行動をとる可能性があるならば、事前に学校側に伝えて対処方法を相談しておきましょう。連れ去りなどの危険があるなら特に慎重な対応が必要です。