ニューノーマルな働き方を進める凸版印刷…業界を牽引する企業の人事担当者から聞く、キャリアを切り拓く「想定外」とは
コアタイムのないフレックス勤務制度である「スマートワーク制度」、フルリモートワークなど、先進的な勤務制度を導入している凸版印刷。2020年10月1日よりこうした新たな勤務制度が導入されています。社会全体として、コロナ禍でリモートワークをはじめ、新しい働き方が急速に進む中、先進的な取り組みを行う同社の人事担当者から、新しい働き方が進む中で意識するポイントや、この先のキャリア形成において必要となる考え方について、率直にお話いただきました。 【表】「この企業に勤める人と結婚したい」ランキング…「トヨタ自動車」を超えた1位は ▽凸版印刷株式会社・人事労政本部人事部採用チーム 西土井 靖(にしどい・やすし)さん 柴田 慶美(しばた・よしみ)さん
「生産性」を追求し、一人ひとりに合った働き方を導入。コロナ禍で一気に進むリモートワークにおいての意識変容
―コアタイムを設けないスマートワーク制度(フレックス勤務制度)や、フルリモートワークなど、ニューノーマルな働き方を次々に実践されています。やはりコロナ禍の影響を受けてのことだったのでしょうか。 (西土井)コロナ禍でニューノーマルな働き方を推進したり、そうせざるを得ない状況にあったりはしますが、元々はあまりコロナ禍とは関係なくスタートしています。 これまでは一日8時間働き、それを超えたら残業時間となっていたわけですが、より従業員一人ひとりの働き方に柔軟に対応し、生産性を上げるために時間単位で働き方を管理するようになっています。月間の総労働時間で管理しており、日によっては残業しても、別日では短時間勤務や時差出勤などで調整をしています。 当社では1日3時間以上の勤務をすればその日は出社したものとみなしていますが、残業の抑制という観点はもちろん、成果が上がれば必ずしも8時間きっちり働く必要もないと考えています。 我々、採用チームも、例えば新卒採用のイベント対応などで夜まで業務対応があった場合には、その分、当日は始業時間を昼からの勤務にするなど、自分で働く時間をコントロールするようにしていますね。 2020年の10月からニューノーマルな働き方は実施されていますが、それまでの間に多くの社員にモバイルタブレットは支給されていました。あくまで、生産性を上げるための柔軟な働き方をかねてから推進していた中で、コロナ禍でより柔軟な働き方が求められるようになったという見方の方が正確かもしれません。 ―コロナ禍に関わらず元々そうした取り組みがあったのですね。とはいえ、西土井さんのお話の通り、コロナ禍で一気に働き方も変わったことと思います。何か変化はありましたか (柴田)働き方は大きく変わっていっていると思います。出社して顔を合わせない分、個々人で一日のスケジュール管理をしなければいけません。もちろん、その予定を共有する必要もあるので、Googleカレンダーなどを使用して、できる限り個人の業務内容を見える化できるようにはしています。しかしながら、物理的な距離がある分、ちょっとした雑談などはやりにくくなってしまったので、そうしたコミュニケーションロスは課題ですよね。 だからこそ、上司や先輩と気兼ねなくコミュニケーションをとり、仕事の確認作業ができるようにすることを大事にしています。定期的にオンラインミーティングを行って、チームメンバーの表情や様子からコンディションを確認するなど、極力、オフィスで勤務している環境に近づけています。そうしたミーティングでは雑談を含めてお互いに積極的に話しかけるようにしていますね。 ―働く意識という面ではいかがでしょうか (西土井)出社機会が減った分、働く側もそれに応じて意識を変えていかないといけなくなっていますね。先ほどあったような積極的にコミュニケーションをとったり、仕事や予定の見える化をしたりといったこともそうですが、いずれにしても、仕事を円滑に進めるために自分で何かアクションをとらないといけないという意識は大事になってきていると思います。