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〈燕三条 工場の祭典〉の中止発表をうけ、とあるポスターが街中に出現

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■「日常を道具で支えるのが職人の仕事だ」」 毎年、新潟県・燕三条地域にて開催される〈燕三条 工場の祭典〉。毎年、多くの来場者が訪れるものづくりの現場を見学・体験できるイベントですが、2020年は新型コロナウイルスの影響下、来場者および関係者の健康・安全を鑑み、中止となることが発表されました。 【写真で見る】工場に農園に、いたるところに貼られたポスター 〈燕三条 工場の祭典〉実行委員会は、「Stay safe 生きろ、KOUBA」というキャッチフレーズとともに、次のようなステートメントを発信しています。 「いまKOUBAの火が消えても、職人の手に、心に、灯る火は消えやしない。まずは安全を第一に力を蓄えよう。人々は日常へ戻る日を渇望している。その日常を道具で支えるのが職人の仕事だ」 燕三条エリアでは、100を超える参加団体が「Stay Safe 生きろ、KOUBA」と書かれたポスターを貼ることで今年度の開催中止を表明するとともに、ゴールデンウィークを念頭においた不要不急の外出自粛と安全の確保を呼びかけました。 また、燕三条では、新型コロナウイルス感染症に対し、様々な取り組みを行っています。 そのひとつが、帰省を自粛している学生へ向けた、燕市からの“応援物資”。新潟県外に住む燕市出身の学生さん宅へ「燕市産のコシヒカリ5キロ」「みそ」「漬物」「キュウリ」「手作り布マスク」を送りました。 市内有志の厚意と寄付によって実現したこの企画。学生さんたちは心温まる贈り物に勇気付けられたようです。また、応援物資の第2弾には、燕市民のソウルフードである「背脂ラーメン」を、第3弾にはお菓子の詰め合わせを送りました。 一方三条市では、タクシーを活用したプロジェクト〈さんタクイートサービス〉を開始。これは〈三条タクシー〉が、出前を行なっていない飲食店の料理を、配達料500円で届けるというもの(市内の対象エリア限定)。タクシーの運転手さんも営業を自粛している今、これは新たな活路となるかもしれません。 また、体育文化会館では〈#三条エール飯 お弁当販売プロジェクト〉を実施。市内の飲食事業者を応援するため、また、市民が気軽に食事を購入できるよう、市内飲食店等のお弁当を販売しました。 日本で最も長い信濃川流域にある燕三条エリア。肥沃な土地に恵まれたこのエリアは、もともと農業が盛んな地でした。しかし江戸時代の頃、信濃川とその支流である五十嵐川が合流する三条周辺に暮らす農民は、度重なる洪水に苦しめられていました。 その当時、大官所が副業として推奨したのが和釘づくり。お百姓さんたちが和釘づくりの技を身につけ、それが根づいたことが燕三条の転機になったといわれています。 やがて越後で新田開発が盛んになると、開墾用農機具の製造を始め、さらには、大工道具や包丁などの刃物鍛冶へと発展していきました。 一方、江戸時代に鎚起銅器の製法が伝えられた燕は、早くから和釘鍛冶は銅器などの加工業へと移行。大正時代には洋食器の生産が盛んになり、現在につながる金属加工の一大生産地へと発展しました。 明治初期の頃、海運が栄えた新潟は日本一人口が多いまちだったそうです。その地で発展した燕三条の金属製品は、やがて日本中へ知れ渡っていきました。 工業化が進んだいまも、両市には鍛冶や鎚起をはじめとする伝統的な技法を受け継ぐ職人が多く活躍しています。燕三条エリアには、数々の荒波を乗り越えてきた職人の誇りと技術が根づいているのかもしれません。 燕三条 工場の祭典の新たな取組も、今回の困難を乗り越える一助となることを目指しています。最新情報は公式ホームページやSNSをチェックしてみてください。 information 燕三条 工場の祭典 問い合わせ先:〈燕三条 工場の祭典〉実行委員会 住所:新潟県三条市須頃1-17 電話:0256-35-7811 writer profile Yu Miyakoshi 宮越裕生 みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。 【コロカルニュース】とは? 全国各地の時事ネタから面白情報まで。コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

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